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ゴイサギは醍醐天皇のお気に入り
ペンギンじゃないよサギなのよ
都内や市街地の公園の池、小川やクリークのほとりでじ~~~っと動かないペンギンに似た鳥を見たことがありますか?
知らない人は思わず「ペンギンだ!!!!!」と驚いてしまうその姿は、色といいフォルムといいそういえばペンギンにそっくりですが、それはサギ。
ゴイサギです。
首をのばせば伸びるのだけれど、大概はずんぐりと首をすくめたままに池のほとりでじっとしているものだから、やっぱりぱっと見やっぱり鷺(サギ)には見えない~~。
やっぱりなんだかペンギンっぽいなと思うわけです。
天皇から位を賜ったエライ鳥?ゴイサギ
そんなかわいいけれど、なんだかおとなしくて全然動かなくて地味な鳥ですが、しかしながら、その名前は、なんと天皇から授かった!ということをご存じですか?
その昔、時は平安時代。
醍醐天皇が神泉苑(京都にある天皇のためのお庭)に遊びに行かれた時に、サギがおりましてね。
「あれちょっと捕ってきてヨ近くで見た~~い」と家来に命じられ、家来が鷺に近づいたところ・・・
そりゃサギですもの「え、いやだ」と飛んで逃げようとしたんだそう。
そこでその家来が「帝さまのご意思ですよ」とサギに語りかけたらサギは「はは~~~っ」と地面にひれ伏したんだとか。(夜行性のゴイサギだからそうなったんじゃないかと私は思う)
天皇は「かわいいやつじゃん!」と多いに喜ばれ「このサギに五位の位をあげよう!」ということでそのサギはサギでありながら「五位」の位を賜ったのでした。(平家物語「朝敵揃」より)
・・・というわけでゴイサギは五位鷺。
ちなみに・・・五位の位って貴族の位で天皇(帝)に拝謁ができるという位なのだそう。
超エライ!
そう思ってみればちょっと高貴なる顔立ちにも見えてきたりこなかったり。
あの後頭部からひらりと生える冠羽がこれまた貴族感をマシマシにして見えますね。
ゴイサギの特徴
ずんぐりしたフォルムと赤い目
先ほども言ったようにずんぐりとしたペンギンのようなフォルムと真っ赤な目が特徴です。
羽色はアオサギと似ていますがアオサギより小柄でずんぐり、そして大きめの目がポイント。
鳥にはお目目が黒いもの、黄色いものも、はたまた赤いのもおりますが、それらは虹彩(こうさい)といいまして、色素の量で色が決まるのだそうです。
ゴイサギの虹彩は赤。
人間からすると結構心配になるくらいの真っ赤!
見かけたらよくお顔を観察してみてくださいね。
ゴイサギはどこにいる?
ダイサギやアオサギ、コサギなどのように頻繁に見かけるサギではありませんが、東京の公園などでも大きな池のあるような公園でみかけます。
池に張りだした低木の枝の下あたりに潜んでいたり、池やクリークのほとりでじ~~~~っとしていることが多いです。
ゴイサギは宵っ張りの夜行性
昼間見かけるゴイくんは、じ~~~~っと動かず「のんびりした鳥だな~」という印象です。
散歩などしていて池を一周してきたらまた同じところに同じポーズでいるなんてことはよくあります。
しかし、彼の本領発揮は夜!
夜になるとあの赤いお目目をらんらんと輝かせるかどうかはわかりませんが、夜に活発に活動する鳥です。
鯉や金魚を飼っている池や魚の養殖場に現れて、お魚を食べまくるのでちょっと困るという話もよくききます。
夜中に結構大きく「クワッッッ」と鳴くことでも有名で、ゴイサギのことを「ヨガラス」(=夜のカラス)と呼ぶ地域もあるそうですよ。
確かに鳴き声はカラスと似ているかもしれません。
昼ののんびり顔とは裏腹に、夜はかなりイケイケなゴイサギなんであります。
この子だれの子?幼鳥は別人
ゴイサギはコロニーで生活をしています。
集団生活をしてそこで子供を育てるわけですが、コロニーを発見して観察していると「おや?」と思うことがあります。
「ゴイサギの中に他人がまじってない??」
明らかにゴイサギじゃない茶色い水玉模様のサギがいるのです。
初めて見ると「あいつだれ~~~???」となるんですけれども・・・それはゴイサギの幼鳥。
ゴイサギよりも茶色くて、まだら模様で目もオレンジ。(大人になるにつれどんどん赤さが増すのです)
あまりに親とかけ離れておるので、名前も別の名前がございます。
ゴイサギのお子さんの名前は「ホシゴイ」。
アオサギのコロニーを見つけたら、ホシゴイくんを探してみてください。
ではまた次回!
【今回使用した画材・機材】
ステッドラー水彩ペン
ホルベイン色鉛筆
NIKON D500
Nikkor AF-S 200-500mm f/5.6E ED VR