前回の戸隠森林植物園での野鳥観察記の続きの記事です。
第1部をまだ読んでない方は、是非第1部から読んでみてください。
戸隠森林植物園の魅力がお伝えできるように、2部構成で記事を書いています。
【戸隠森林植物園】mililieの野鳥観察記vol.11第1部
目次
戸隠森林植物園
観察した野鳥
アカハラ
戸隠で一番目撃率の高い野鳥はアカハラです。
もう、とにかくそこら中にいます!(笑)
朝から夕暮れまで、森林でも宿でも、とにかくアカハラのキュロンキュロンという鳴き声が聞こえていましたよ!
アカハラって都市公園などにも生息している野鳥ですが、なかなか目立って出てくる鳥ではないです。
しかし、この戸隠のアカハラたちは、のびのびと大手を振って姿を見せていました。
自然の中の野鳥
私は、常々考えていることがあるのですが
都市公園やこの戸隠森林植物園にいる野鳥たちは半野鳥だと思うんです。
野鳥=野生に生きる鳥
半野鳥=半分野生に生きる鳥
どういうことかと言いますと、戸隠森林植物園はその名が示す通り、人間によって意図的に多くの植物が植えられています。
一見自然豊かな森林に見えますが、多種多様な植物を観察できるように管理されているのです。
また、都市公園も同じで、桜や様々な広葉樹や針葉樹などが植えてあります。
その為、自然と多種多様な野鳥などの鳥類や昆虫などが集まってきます。
しかし、本当の野生では、そううまくはいきません。
植物たちも、自然界では日夜切磋琢磨、生息域を他の種と分け合い奪い合い生きているのです。
ですので、エリアによっては生息している動植物に偏りが出てきます。
本当に自然の姿
登山をしていると、野鳥の群生地に出くわすことがあります。
この前も、某200名山でルリビタキとコガラの群生地に出会いました。
また、例えばシジュウカラ、ヒガラ、コガラの生息域が、はっきり分かれている事も目にします。
登り初めに多くいたシジュウカラは、いつの間にか数を減らし、ヒガラが多くなってきます。
そして、ヒガラとコガラの混群が見られるようになり、更に標高を上げていくとコガラの方が多くなってきます。
しかし、戸隠森林植物園のような場所に行くと、シジュウカラもヒガラもコガラも同じようにたくさんいます。
これは、人間によって環境が整えられている事により、多くの種が同時に生息できる環境があるということではないでしょうか?
しかし、逆を言えば、一つ一つの種にとってのびのびと過ごせる最高の環境ではないということだと思います。
某200名山で出会ったルリビタキは、驚くほど私の側まで近寄ってきてくれました。
ざっと数えても、20羽ほどのルリビタキが辺にいて、のびのびと暮らしている様子が伺えました。
本当に、その種にとって環境の整っている状況だと、つまり本当の野生の鳥たちは、戸隠のアカハラのようにのびのびと暮らしているんだと感じます。
都市公園の藪の中でひっそり暮らすアカハラは、肩身の狭い思いをしているのかもしれません。
クロツグミ
今回、戸隠での目的のもう一つがこのクロツグミでした。
しかし、なかなか姿が見えなくて、必死に最終日まで追っていました(汗)
アカハラと同じスズメ目ヒタキ科ツグミ属のクロツグミは、鳴き声も体型も似ています。
ですので、藪から鳥影が飛び出すと、お!クロツグミ!と目をやるとアカハラ!って感じで
なかなか見つけることができませんでした。
しかし、近くに出てきてくれた時は本当に感動しました!
とってもかわいい色合いで、本当に美しい野鳥だと思います。
ミソサザイ
私たちmililieの一押しの野鳥でもあるミソサザイ!
とっても小さな野鳥なのですが、堂々とした美しい鳴き声は本当に感動します。
ミソサザイは、欧米では森の王様と呼ばれています。
小さいけど、勇敢に魔物を撃つ(なんと耳から魔物の体内に侵入して撃破する)そんな勇者のミソサザイ。
この日も、大きな声で一生懸命、我ここにあり!と言わんばかりに胸を張って鳴いていました(笑)
本当に可愛いです!!
ゴジュウカラ
幹を移動するシリーズの野鳥です。
ゴジュウカラもたくさん生息していました。
そして、子育てに一生懸命で、何回も巣に餌を運んでいる様子が観察できました。
この子も、キバシリ同様、スズメ目ですが木の幹を自由に動き回ることのできる野鳥です。
キバシリと違うのは、写真のように下向きに移動できるということです。
キバシリが、下から上へ幹を登っていくのに対し、ゴジュウカラは上下に自由自在に幹を移動します。
戸隠には、キツツキ目のコゲラ、アカゲラなど、そしてキバシリやゴジュウカラが同時に生息しています。
ですので、幹を移動できるシリーズの動きの違いに注目して観察してみるのも面白いですよね!
キビタキ
先ほどのアカハラと同じように、目立って多く生息していたのがこのキビタキです。
冬は、オレンジ色のジョウビタキが人気ですが、夏のオレンジと言えばこのキビタキですね。
キバシリやゴジュウカラのように、子育てに一生懸命な子達もいましたが
このキビタキは、今まさにナワバリ争いとパートナーを見つけるのに必死という様子でした。
あちらこちらで、オス同士のバトルが勃発していて、ブーンブーンというキビタキ特有の蜂のような羽音がしてました。
そして、縄張りが決まったペアは、縄張りを守ることで必死!
カケスに襲いかかるキビタキペアの様子を見ることができました。
とうのカケスは、襲われても意も解さずにのんびりご飯を食べているのですが、キビタキはもう大変!
オスとメスで、交互にカケスに襲い掛かります。
カケスも『こいつらうるさくてのんびり食事できないな』って感じで飛び去っていきました。
コサメビタキ
オオルリやキビタキの様に派手なルックスではないですが、夏の定番の野鳥です。
囀りも地味めで、バーダーさん以外ではなかなか知られていない野鳥ではないでしょうか?
しかし、お目めくりくりの可愛らしいルックスに、隠れファンの多い人気の野鳥でもあります。
ヒタキ科の野鳥の中でも、飛んでいる虫を捕まえるフライキャッチが得意な種です。
その為、写真の様に枝に止まってじっと虫を探しています。
そして、虫を見つけるとサッと飛び立ってキャッチ!そして、また元の枝に戻ってきます。
人間の目線のような低い位置にはなかなか降りてきません。
しかし、一箇所にとどまることが多いので、ゆっくり観察しやすい野鳥でもあります。
モズ
戸隠のモズは子育てに大忙しな様子でした!
オスのモズが、幼鳥に狩の仕方を教えているのでしょうか?
2羽並んで枝から枝へ飛び移りながら、行ったり来たりしていました。
幼い子は成鳥に比べ、直線での飛行で、成鳥は幼鳥の周りを旋回しながら飛行してました。
幼子の飛行の様子を見ていたのかもしれません。
野鳥のコーラスを聴きに行こう
いかがでしょうか?たくさんの野鳥が生息しているのが分かると思います。
しかし、今回の記事では長くなりすぎるのでご紹介できなかった写真や野鳥もたくさんいます。
そんなたくさんの野鳥たちが一斉に囀る朝のコーラスは、本当に感動的でしたよ!
しかし、コーラスを聴くには暗いうちから森林の中に入っていく必要があります。
戸隠では、公園の入り口にも注意喚起がされていましたが、多数の熊の目撃情報があります。
今回も、木道に足跡があったり糞があったり(糞の写真を撮りましたが公開は控えます)
ですので、必ず熊鈴を携帯して行ってください。
野鳥の声を聴きたいと、熊鈴なしで行かれる方も多いのですが、本当に危険です。
しかし、きちんと対策をしておけば、くまも逃げていきますし、美しい野鳥のコーラスを聴くことができます。
多種多様、本当に美しい野鳥の囀りが、四方八方立体的に森林にこだまし
その中で目を瞑ると、自然の息吹に包まれているような幸福感を味わうことができます。
この夏はぜひ!森の中にコーラスを聴きに行ってみてほしいと思います。
ではまた次回
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