目次
ノスリの特徴いろいろ
かわいい猛禽!参上!
ノスリというタカを見たことがありますか?
タカというと、どう猛なクチバシとにらみの効いた恐ろしい顔を持つ肉食の鳥を想像しますよね。
しかし、ノスリのその姿は私たちの猛禽類のイメージを軽やかにぶち壊してくれます。
なぜならば・・・かわいいの!
私は個人的に大好きな猛禽です。
小さめの猛禽類ノスリ
ノスリは全長50~60cmほどの猛禽類。(翼を広げると100~140cm)
トビがだいたい65cm前後のボディ(翼を広げると150~160cm)ですので、ノスリさんはちょっと小さめ。
ちなみに、ノスリボーイ(オス)よりノスリガール(メス)のほうが少し大きめなんですよ。
そして、なんだか太めのボディも特徴。
さらに、ちょっと頭も大きめな印象。
なんというか、全体的に体がずんぐりしている印象です。
ずんぐりしたボディの小柄なタカ・・・これだけですでに愛されキャラが確立しそうですけれど
それに加えて、黒目がちの大きな目が愛らしさに拍車をかけます。
鳴き声は「ぴ~~~ぇ~~~~~~~~!」「ぴ~~~~~~~え~~~!」というかんじ。
トビと似た音で鳴きます。
馬糞カラー
そして、背中の羽根色はこっくりしたブラウン。
そして、そして、お腹は白に薄いブラウンでまだら模様が入っています。
クチバシの付け根と足は、オレンジがかった黄色ですよ。
さて、ここまできいて、ちょっと地味な猛禽だな・・・とお思いですか?
そう思ったのは我々だけじゃないようで、地方によってはこの鳥のことを「馬糞鷹」と呼ぶことがあるとか。
ば・・・馬糞??・・・ひどい・・・。笑
確かに地味ではありますが、それはあんまりじゃないですか?
しかし地味なのは見た目だけじゃございません。
ノスリの生態
じ~~~っと系
ノスリはわりと写真やスケッチにおさめやすい鳥です。
なぜならば、動かないから。笑
電柱の先っちょで、樹木の先端でじ~~~~~~っと動かないことが多いんですよ。
先ほども言及した通り、ノスリは小柄でずんぐりした体形。
そこに来て、じ~~~っと首をすくめてとまっているシルエットは、まるでマトリョーシカのようです。
私はノスリューシカと呼んでます。(私だけですきっと)
鳥は見かけに寄らない
ノスリは、草原や農耕地に生息する猛禽類。
そして、主にネズミやモグラを食べています。(時にはカエルや小鳥を捕食することもあるようです)
つまり、見晴らしのいい電柱や樹木のてっぺんでじ~~~っとしているのは決して黄昏ているわけじゃないのです。
そう、獲物を待ち伏せしているんですよ。
そして獲物の気配を感じると華麗に空に舞い上がるというわけ。
ノスリは、じっとしている場面を見ることが多いですし、のんびり顔なので狩りが下手そうに見えます。
しかし実は狩りをするのも飛ぶのも上手な鳥です。
時には、風を利用してホバリングをしたかと思えば、急に急降下をして獲物を素早く捕まえるハンターです。
野を擦るように飛んで地面の獲物をさらう様子から、ノスリと名がついたとか。
トビとの違い
また、よく見間違われるトビは、実はあまり狩りは得意ではない猛禽です。
のんびり顔のノスリがネズミなどの小動物をすばやく捕食するのに対し、
あのシャープないかにも「猛禽」な顔をしているトビは、狩りが苦手なので死んだ動物や弱った小動物を探して捕まえます。
人は見かけにはよりませんが、鳥も同じですね。
ノスリの別名がひどい問題
しかし、奈良時代、ノスリはタカ狩りに使えないという理由で「クソタカ」と呼ばれていたとか。
(馬糞に続き、クソ・・・ひどいわひどいわ)
狩りが上手なのに、狩りに使えないの???・・・と思いましたが、どうやら体が小さいから小さい獲物しか捕まえられないためだとか。
でも、以前、モズをタカ狩りのタカのかわりに使っていた武将がいたという話をききました。(詳細は下の記事のリンクからどうぞ)
明らかにモズのほうが、小さい獲物しかとれないと思うんだけども・・・。
昔の人って、気まぐれね。
モズは小さな猛禽?ハヤニエの謎と生態【イラストと画像あり】
分布
さて、ノスリは、日本全国で見られる猛禽類です。
本州中部以北で繁殖して、西日本には冬鳥としてやってきますよ!
繁殖期は、森林や低山にいますが、冬場は農耕地や草原などで越冬します。
どこで見られる?
つまり、ノスリを見やすいのは「冬の農耕地」や「冬の原っぱ」です。
私は、山に近い自然の豊かな秋冬の農耕地で何度も見かけました。
田畑を見通せる高い樹木の上や、電柱、鉄塔の上などでじっとしているくりくりお目目の猛禽類をみかけたらそれはノスリかもしれません。
まとめ
さて、今日は、私の大好きなノスリちゃんについて書きました。
このちいさなつぶらな瞳をもつ愛らしい鳥は、小さめですが猛禽類。
しかし、この鳥もほかの鳥の例にもれず、田畑や環境破壊による生息地の減少、獲物の減少に伴い少しずつ個体数を減らしつつある鳥です。
「クソタカ」と呼ばれようと、奈良の時代からこの日本で親しまれた猛禽。
いつまでも、愛らしく素晴らしいハンターであるこの鳥を目にすることができますようにと心から願います。
それではまた次回!
書籍を発売します!チェックしてみてくださいね!
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今回使用した画材・機材
ステッドラー水彩ペン
ホルベイン色鉛筆
NIKON D500
Nikkor AF-S 200-500mm f/5.6E ED VR