春から夏にかけ、野生動物たちは子育ての時期に大忙しです。小さな赤ちゃんたちが沢山姿を見せていますよね!
赤ちゃんたちは、親のサポートを受けながら、一生懸命独り立ちしようと頑張っています。
今回の記事は、身近な野鳥たちの赤ちゃんを厳選してご紹介してみようかなと思います。
赤ちゃんってだけで本当にかわいいのですが、子育てする親鳥の様子も、この時期だから見れますよね!
未来の野鳥界のために!健康に大きくなってほしいなと思っています!
目次
身近な野鳥の赤ちゃん日記
スズメ
まずご紹介するのは最も身近な野鳥でもあるスズメちゃんです。
スズメは、家屋の軒先や屋根の隙間なんかに営巣する野鳥なので、赤ちゃんを目にするチャンスも多い野鳥です。
スズメって言えば、米を食べるというイメージがありますが、子育て中は高カロリーな虫を赤ちゃんに与えることが多いのだとか。
ヒナの栄養も考えて、与える餌にも拘りがあるんですね!
えらい!!
しかし、近年は機密性の高い家屋が増え、アスファルトの増加で虫も減っています。
赤ちゃんを育てるのも楽じゃない時代になってしまっているみたいです。
飛べる様になり、巣から飛び出した赤ちゃんですが、まだまだ親離れは先です。
飛び方や餌の撮り方を、親鳥から教えてもらいながら独り立ちに向けて努力中!
スズメの赤ちゃんを見かけたら、ぜひ観察してみてくださいね!
モズ
先ほどのスズメは、基本的には木の実などの餌を食べていますが
この小さな猛禽モズちゃんは、一年中狩をする生粋のハンターです。
そんなモズは、一人で生きていくにいは狩のテクニックを磨かなきゃいけません。
この時期の赤ちゃんモズをよく見ていると、親鳥の狩にずっとくっ付いているのが分かります。
『まずは見て覚えなさい!』
昔がたきの職人気質な子育て方針の様ですね!
まだ、幼さのこるモズの赤ちゃんたちは、親鳥の後をついて回って狩の様子を勉強しています。
早贄の方法なんかも見て学ぶのかな?
ヤマガラ
スズメやモズは開けた環境を好む野鳥ですが、ヤマガラは木が茂っている環境を好む野鳥です。
ですので、都市公園や里山などで観察することができます。
また、近年は整備されなくなった河川敷や林なんかにも進出していて、比較的見かけることの多い野鳥です。
ヤマガラは、とにかく好奇心旺盛な性格で、人間にも近づいてくる珍しい野鳥でもあります。
そんなヤマガラの赤ちゃんも、好奇心旺盛なようで、私の姿を見つけて近づいてきてくれました。
赤ちゃんって、種によっては親と全く違ったルックスの子もいたりするのですが
ヤマガラは親の特徴がそのまま幼くなったってルックスで可愛いですよね!
鳥は我々が考えている以上の記憶力を持っていると言われています。
だから、幼少期の経験や記憶っていうのは、その子のその後の人生に大きく影響します。
この可愛い赤ちゃんたちにストレスをかけない。
そういった心構えも必要なんだと思います。
アオジ
多くの野鳥が、雄の方が美しい羽色をしています。
これは、求愛の意味があり、羽色を見せてメスにアピールするためです。
赤ちゃんは、オスもメスも同じような羽色をしていて、第一冬羽と呼ばれる一年目の冬の換羽で特徴が出てきます。
オスの赤ちゃんも、生まれた時は地味な子が多いんですね!
アオジも、成鳥のオスはメスよりも目の周りが黒くカッコいいルックスになります。
しかし、赤ちゃんの時期には、このかっこよさはまだ無く、幼さ残る見た目なんですね!
これには実は理由があって、成鳥と同じ色だと縄狩り争いなんかに巻き込まれる危険があるんです。
ですので、子供が作れる大人になるまでは、派手な見た目は控えているというわけです。
この子は、飛ぶこともせずにじっと見晴らしのいい木の上に止まっていました。
親鳥の帰りを待っているのかな?
コサメビタキ
これまでは留鳥の赤ちゃんを紹介してきましたが、コサメビタキは旅鳥として夏に日本に飛来します。
つまり、日本に子育てをするためにやって来る野鳥さんですね!
鳥類はなぜ渡をするのだろう?
この疑問は、まだ研究者の間でも100%解決している問題ではありません。
種によってその動悸は違うかもしれませんし、もしかしたら複数の理由から渡を行うのかもしれません。
しかし、どちらにしても長距離を大きなリスクを覚悟で渡ってきている事は事実です。
コサメビタキは冬の間は、虫の多い東南アジアに移動します。
つまり、日本の冬では餌となる虫が少なくなってしまうのです。
しかし、夏の子育ての時期は、日本の方が虫の数も多く赤ちゃんの栄養も確保できます。
そのため、子育てをするために日本にやって来るんです。
コサメビタキは、空中で上手に虫を捕まえる野鳥です。
しかも、巣にいるヒナへの給餌も、飛びながら行うことも目撃されています。
この子も、立派なフライキャッチャーに成長して、来年も日本に来てほしいですね!
カワガラス
渓流沿いを散歩していると、カワガラスの親子を目撃しました!
カワガラスは、とても警戒心の強い野鳥で、ちょっとでも人が近づくと逃げてしまいます。
日頃生活している山奥の渓流は、人があまり近づかない場所なので、見慣れない生き物が怖いのかもしれません。
特に、子育て中は親鳥も神経質になりますし、赤ちゃんも怯えてしまうことがあります。
ですので、近づきたい気持ちを抑えて、そっと撮影しました。
観察していると、親鳥が水に何回も潜っている様子を赤ちゃんが岩の上で見学していました。
狩の仕方を教えているのか?ただ水浴びしているだけなのか?
何回か繰り返しているうちに、お母さんが餌を捕まえました!
すると、赤ちゃんは尻尾を高く上げて大きなお口を広げ、餌をおねだり!
水がないと生きていけないというカワガラス。
生まれて間もない赤ちゃんも、水辺で逞しく生きてほしいなと思いました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この時期にだけ観察できる野鳥たちの赤ちゃん達。
他にも、たくさん可愛い赤ちゃんがいて、今回は紹介しきれなかったのですが
今まさに、ヒナ達が巣から出てきて、一生懸命親鳥と暮らしている様子が確認できます。
もう少しして来ると、幼さも消えていき、親と見間違えるほど凛々しく成長していきます。
ですので、本当にこの時期が赤ちゃん観察にベストな時期です!
身近にいる野鳥だと、他にもカルガモやハクセキレイ、ムクドリなんかの赤ちゃんもよく見かけますよね!
赤ちゃんの様子、そして親鳥の子育ての様子!ぜひ観察してみてくださいね!
もう一度マナーは考えよう
しかし、この時期の野鳥達は本当にデリケートです。
度々、野鳥観察者や野鳥撮影者のマナーが問題視されています。
人間本意な観察はやめて、やさしい気持ちで野鳥達を観察してほしいと思います。
鳥類学者や動物精神科医などの研究では、鳥類の記憶力は現生動物の中でもとても高いレベルにあるといいます。
野鳥達は、ただ本能で行動しているのでは無く、経験を重ねることでいろいろ学んでいるのです。
営巣地の近くで人間が騒いでいると、ストレスで育児放棄や営巣地を変えたりしてしまいます。
そうなってしまうと、繁殖そのものができないということにもなってしまいます。
事実、そのような理由で個体数を減らした種もいるのです。
やさしい気持ちで野鳥の赤ちゃんの成長を見守っていきたいですね。
ではまた次回。
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