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野鳥たちの食文化!意外とグルメな野鳥たち

我々人間の食への探究心は、20万年前よりとどまる事を知りません。
さまざまな食材に手を出し、創意工夫多種多様な調理法を開発し、現代人の最大の関心ごとといえば"ぐるなび"の評価。

なぜこうも人は食に情熱を注ぐのでしょうか?

さて、どこかの美食TV番組のような煽り文句でスタートした今回の記事。
しかし、今回の主役は我らの野鳥たちです。

カケスの食事シーン

多くの人間は、野鳥は【本能】で生きていると考えています。
この本能という言葉には【自分の意志や希望などに依存せず、盲目的にDNAに従って行動する】という意味合いで捉えられます。

ある条件(例えば気温や気候や月の満ち欠けなど)が揃えば、DNAに刻まれたプログラムが作動し
考える事なく、餌を探し捕え、食し、つがいを見つけ繁殖し、子を育てる。

野鳥に限らず、動物全般がこのように生きていると考えている方は多いんじゃないでしょうか?
野生動物なら、イルカや犬や猿など、一部の優秀な哺乳類は多少頭を使ってるでしょ?
このように考えている方もいるかもしれません。

しかし、我々が考えている以上に動物は感情的に生きています。
そして、我々が考えている以上に人間は本能的に生きています。

今回の記事では、そんな誤解を解きつつ、野鳥たちの食文化に迫ってみたいと思います。

目次

野鳥たちの食文化

食とは

野鳥たちの食文化に触れる前に、まず食べるという事をもう少し理解しておこうと思います。
どうして我々人間は、こうも美味しい食べ物にこだわるのでしょうか?

毎日、朝ご飯を食べたばかりだというのに、すでに昼ごはんのことを考えています。
一生懸命働いて得たお金の、多くは食べるという行為のために使われています。

それは、食とは生きるということだからです。
人間が生きるために、食事が最も重要な要素だからです。

栄養素

言わずもがな、食より得る一番大きな恩恵は栄養補給です。
人間が生きていく上で必要な栄養素のほとんどは、体内生成ができません。
ですので、食べるという行為で補給していくしかないのです。

そして、その栄養素は健康的な肉体を維持するために、さまざまな種類を必要とします。
そのため、毎日マックを食べてはいけません!と親は子に教えています。

しかし、毎日マックを食べ続けるというのは簡単なことではありません。
最初の2〜3日はいいでしょうが、すぐに飽きてきて、4日以降は苦行以外の何者でもありません。

それは、人間の中にバランスよく栄養素を補給したいという欲求があるからです。
いくらマックが好きでも、毎日食べ続けることはDNAが拒否します。
このまま、偏った食を続けていくと死ぬリスクが高まる、そう無意識に知っているのです。

味覚

〇〇ラーメンはぐるなびで星4.5だ!美味しいって評判だね!
しかし、◯△ラーメンは星3.9か、微妙だな。。。
このように我らは、少しでも美味しいものを食べようと躍起になります。

『ラーメンなんてどこも大して変わらないでしょ?
どれ食べても同じような栄養素を補給できるし、味なんて嗜好の問題でしょ?』

そう感じる方も多いかもしれませんが、味覚というのは生きていく上で大きな意味を持っています。

甘み、塩味、旨味、酸味、苦味を基本5味と呼びます。
この基本的な味覚のバランスで、人は食べ物を美味しいと評価しています。

しょっぱ過ぎるラーメンはまずいと感じるでしょうし、酸っぱいカツ丼は食べた瞬間に身の危険を感じるはずです。
それは、我々がこの基本5味を通して、食べ物の質を評価しているからです。

味覚とは、ある意味生きていく上で重要な指標と言えます。

甘味エネルギーとなる糖分の量を感じ取る
塩味生きていく為のミネラル量を感じ取る
旨味体を作るアミノ酸の量を感じ取る
酸味腐っていないか?食べのの鮮度を感じ取る
苦味危険な食べ物じゃないか?毒かどうかを感じ取る
基本5味の役割

名古屋学芸大学 管理栄養学部記事

味覚は安心の食への指針

このように、我々が単に美味い!と感じる味覚の背景には、生きていく為の重要な食への評価があるのです。
ですので、不味いものを食べると、何か良くないことが起こるんじゃないかという自己防衛本能が働きます。
また、偏った食事をしていると、足りない要素を自然と欲するようになります。
甘いものばかり食べ続けるとしょっぱいものが食べたくなるのはそのせいです。

美味しいものを追求する気持ちは、ただの嗜好の問題だけでなく、生きていく本能なのです。

動物の食への柔軟性

鹿の写真

さて、人間が意外と本能的に食べ物を選んでいるということが分かってきました。
無意識の部分ですので、日頃気にすることはほとんどありません。
しかし、味覚や栄養素や空腹感など、人間が健康で生きていけるように本能で制御されているのです。

では動物はどうなのでしょうか?

よく、肉食動物や草食動物や雑食動物など、カテゴリー分けされて紹介される動物たち。
しかし、イメージしているほど簡単な話ではありません。

なぜかと言うと、動物も人間と同じように栄養素のバランスが崩れると健康に生きていけないからです。
ですので、肉食動物も植物由来の栄養素を必要としますし、草食動物も動物由来の栄養素を必要とします。
しかし、野生の環境では、人間のように安定してバランスの良い食事がでいつもきるわけではありません。

ですので、動物たちはそれぞれ得意な採食方を進化させてきました。
例えば、肉食動物は狩をし肉を食べる事に特化して繁栄してきました。
逆に、草食動物は消化しづらい植物を、咀嚼し消化器官で消化できるように進化してきたのです。

肉食動物とか草食動物とは、人間がつけた呼び名です。
実際の野生動物は、もっと柔軟に幅広い栄養素を摂取できるように工夫しています。

草食動物の場合

植物というのはとても食べるのに苦労する食べ物です。

食物繊維はとても硬く消化しにくいので、よく噛んで細かくする必要があります。
しかし、細かく噛んだからといって安心はできません。
消化するにも強力な消化液や複雑な消化システムが必要になってきます。

ですので、多くの草食動物は歯をすり鉢状に進化させ、長い腸や複数の胃などを持っているのです。
このため、生きた獲物を噛み殺す牙などは持っていません。

しかし、死んだ動物の腐敗しかけた柔らかい肉などは食べることができます。
そんな貴重な機会は逃さずに、動物性の食事をとるようにしているのです。

多摩動物公園のキリンがハトを食べたという話は有名です。
また、シカやパンダ、ウサギなどが動物食を行う行動は多数報告されています。

ちょっと刺激的な内容ですがナショナルジオグラフィックによって人の死体を食べる鹿が報告されています。
ヒトの死体の骨を食べるシカ

肉食動物の場合

多くの肉食動物は、獲物を狩った際に一番最初に内臓を食べます。
中には、内臓だけ食べて放置するという場合もあるぐらいです。

これは、草食動物が食べて細かく分解された植物を食べる為です。

肉食動物は、鋭い牙や大きな筋肉など、狩をする事に特化して進化してきました。
その為、植物を効率よく分解することはできません。
しかし、草食動物の内臓を率先して食べることで、植物性の食事を補給しているのです。

野鳥の食生活

食事中のトビ

簡単にですが、人間と動物の食生活を説明してきました。
では野鳥たちはどんな食生活を送っているのでしょうか?

細かく話すと種によってさまざまな食文化がありますが、この記事では野鳥を一括りにご説明します。

多くの野鳥が、秋や冬には木の実や果物や木の芽などの植物性の食事を摂っています。
特に、実りの時期である秋には、厳しい冬に向けてたっぷり栄養を補給するためにせっせと食事をします。
農家の皆さんにとっては、一番のかき入れどきでもあり、野鳥との戦いの毎日でもあるはずです。

そして、春から夏にかけて繁殖の時期になると、多くの野鳥は昆虫などの動物性の食事に切り替えます。
単純に昆虫が増えるということもあるでしょうが、子育てをする際に少量で高エネルギーになる動物性の食事は効率がいいのです。

また、繁殖期も佳境に入ると、カタツムリなどの有肺類の殻を食べるものも出てきいます。
これは、卵を産むために大量のカルシウムが必要になるからだと言われています。

この様に、季節や時期に応じて、野鳥たちは食性を変えながら必要な栄養素を補給しているのです。

野鳥の味覚

野鳥にも味覚はちゃんとあります。
それに、好き嫌いをすることも分かっています。

例えばシギ類は、長い嘴の先に敏感な神経が集中していて、嘴の先で味覚を感じることができます。
土の中を嘴で探りながら、自分に必要な栄養素(美味しいと感じるもの)を見つけ出して食べているのです。

また、餌付けの実験では、ヤマガラやシジュウカラなど種類によって好みの木の実が違うことも分かっています。
しかし、好みの実を食べてしまうと、残りの実も渋々食べます(笑)

さらに、アメリカの研究では、餌台を設置していたとしても100%餌台の餌に頼って生活する野鳥はいないと報告されています。
先ほどのマックの例のように、いくら簡単に美味しいご飯が食べれても、偏った食生活は健康を害するということが分かっているからです。

つまり、健康のために自制して食生活をコントロールしているのは人間も野鳥も同じようです。

また、狩の苦手なトビは動物の死体を見つけて食べています。
しかし、苦手とはいえ、必死に狩をするのも事実です。
できれば、新鮮で栄養価の高い食事が摂りたいという思いが伺えます。

野鳥の食へのこだわり

ユリカモメの写真

カモメ類は、カラスのようにゴミを漁ったり死んだ魚を食べたりしています。
しかし、ヒナのためには新鮮な生きた魚やカニなどを捕らえて与えることが分かっています。
未成熟な雛には、栄養価の高い食事が必要なことを理解しているのです。

また、カケスは繁殖時期になると、山にある看板などのペンキを剥いで食べていることが分かっています。
これは、先ほど書いたカタツムリを食べるという行動と同じで、ペンキに含まれるカルシウムを補給していると考えられています。

寒冷な地域に暮らすカラ類は、秋の実りの時期にも積極的に昆虫食を食べることが分かっています。
しかし、木の実を採取することは忘れません。
来る厳しい冬に備え、せっせと集めた木の実を貯蔵しているのです。
つまり、食べ物の特徴を理解し、保存したり栄養補給したりと頭を使っているのです。

さらに驚くことに、その隠した木の実の栄養価の高い順番を記憶しているというのです。
どの木の実をどの順番で食べれば健康で暮らせるのか、彼らは計算しながら厳しい冬を乗り越えるのです。

野鳥ってすごいよね

ノスリの写真

いかがだったでしょうか?
今回の記事は野鳥の食生活について深掘りしてみました。

人間は、自分達が知性に溢れ、本能をコントロールして食文化を楽しんでいると思っているかもしれません。
しかし、意外と我々の食生活は、本能の部分に左右されていることが分かったと思います。

また、本能で生きているように見える野鳥たちが、高い知性や好みによって食文化を楽しんでいることもわかると思います。

バードウォッチングをしていて、何気に食事シーンを目にしています。
しかし、その野鳥の食事シーンをもう少し深掘りして調べてみると
私たち人間と同じような意外なこだわりが見えてくるかもしれません。

野鳥の食事シーン。
じっくり観察してみてはいかがでしょうか。

ではまた次回。

今年の夏は鳴き声を覚えよう!
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