目次
だみ声ジェントルマン??
なにこれ?見たことない!
オナガという鳥がいることは知っていました。
しかし、私はその鳥を長年見たことがありませんでした。
なぜなら、私はずっと九州に住んでいたから!!
東日本限定の鳥!
オナガの生息圏は、東日本。
つまり・・・関西より下ではお目にかかれない鳥なのです。
つまり、私がオナガを見たことがなかったのは、当たり前なんですよね。
関東に引っ越したある日、窓から外を見ていた時のこと。
ひらり、ふわり・・・
隣の家の柿木に優雅に、大変ドラマチックに登場した美麗な鳥の集団に目を奪われました。
オナガの特徴
黒い帽子をちょこんと頭にのせたような模様。
そして、春先の空のような青い羽根。(空色なの!)
なにより、美しいのは長い尾っぽ。
「オナガだ!」
この美しい鳥をはじめてみたときの感動は今でも覚えています。
体自体はムクドリくらいでしょうか。
しかし尾が長いので、かなり迫力があります。(尾までいれると40cmくらいになるというから大きく見えるはずですね)
とまっていても、きれいな鳥だなと思うのですが・・・
それが飛ぶとその魅力は倍増します。
飛ぶ姿がとても美しい
オナガは止まっているつるんとしたシンプルなフォルムをしています。
しかしいざ飛ぶと・・・ブルーとグレーの羽根を大きく扇状に開きばさばさとはばたかせます。
長いしっぽをゆらりと揺らしながら舞うように飛ぶ姿は、まるで空色の凧のよう。
さらに、水平にひらひらとゆったりのんびり飛ぶので、さらに優雅さに磨きがかかって見えますよ。
飛ぶ姿は本当にドラマチックなので、ぜひ機会があれば観察してみてくださいね。
オナガはカラス?
さて、そんな麗しく愛らしい姿のオナガにも欠点があります。
それは声。
ところで、鳥類は「目」「科」「属」と分類されます。
一番大きなカテゴリーが「目」、次が「科」、そして「属」
どのカテゴリーに属しているのかを見ると、
「あ~~この鳥はあの鳥の仲間なんだな~」なんて発見できて面白いです。
ちなみに、オナガはスズメ目カラス科オナガ属。
ということは、オナガはカラス科
カラスって、あまりクリアなかわいい声ではないですよね。
太くてしゃがれて、すこしドスのきいた・・・いうなら濁点の多い声です。
ずっと聞いていたいな~~っていう感じの声じゃありませんよね。
その仲間である、オナガもまた例外ではありません。
だみ声ジェントルマン
そのため、彼らは「だみ声紳士」なんていう異名もあります。
溜息の出るような美しい装い。
すんなりとした体つきもとっても上品。
しかし、一旦声を発すると・・・「え~~幻滅!!」というわけでしょうか?
確かにオナガはやかましいです。
集団でやってきては、ぎゃ~~~~ぎゃ~~~~ぎゃ~~~~!!と野太い声でけたたましく鳴きます。
ちょっとうるさい。
私が初めてその鳥を見た日もそうでした。
「うわ~~美しい!すてきだ~~~~」と感動した瞬間に、、、
ギャア~~~~~~~!!ギャア~~~~~!!!!
ゲ~~~~~~~!!ゲ~~~~~~~!!!
まるで絞め殺されでもするかのような大騒ぎで、ちょっとげんなりしたのも覚えていますよ。
どこで観察できるの?
オナガの食べ物
彼らは雑食。
つまり、植物(木の実や果物)も食べるし昆虫なども食べるようです。
中には、他の鳥の巣を襲って卵などを食べちゃうという話もききます。
観察していると、結構強い鳥だなと感じることがあります。
しかも、集団でいますから・・・鳥の巣を襲撃するのもお手の物かもしれません。
余談ですが、家の前の木にヒヨドリのコロニーがあります。
いつもヒヨドリたちが大きな顔をしていて、メジロなどほかの小鳥がやってくと意地悪に追い返すんです。
ヒヨドリって強いな~~と思っていたんです。
それが、ある日のこと・・・
朝、外がとても騒がしい。
ヒヨたちが何か大騒ぎしていたんです。
ベランダから見てみると・・・いつもは木の中に入っているヒヨたちが飛び出してきており
その木を取り囲んで大騒ぎしているのです。
「猛禽類でもきてるのかな?」とみていると、その木のてっぺんにひらりと姿を現したのはなんとオナガ。
次々に3匹。
そのヒヨドリのコロニーは8匹くらいいるのですけれど、ヒヨ8匹のコロニーをたった3匹のオナガが制圧していたのです。
ヒヨドリが、他の鳥にあんなにやり込められているところを初めて見ました。
そして、オナガって強い鳥だな~~と知ったきっかけでもありました。
ヒヨちゃんと大きさはさほど変わらないんですけどね。
しかしオナガにも黒星経験があります。
カササギに負けたオナガ
先ほども言いました通り、オナガは東日本にいる鳥です。
西日本には生息していません。
しかし、もともとはこの鳥は九州北部と関東のみにいた鳥のようです。
どういうわけなのか、九州では絶滅したという話。
福岡県や佐賀県の一部に「カササギ」という、似た鳥がいます。
これも結構気が強い鳥なんですけどね。
その鳥との勢力争いに負けたのだ・・・という説があるそう。
オナガも負けるんですな。
しかしその九州からいなくなった本当の理由は謎のままです。
観察できる場所は?
現在は、東日本の平地や山の林の周辺、河川敷や雑木林で見られます。
でも結構、人間の生活圏内にもいるんですよ。
たとえば、関東の小さな町の公園とか・・・
都市公園とか・・・
東京郊外ですと、住宅地にも多くいて庭先の柿木などにとまっているのを見つけることができます。
あなたが東日本にお住まいなら、結構見かけるチャンスは多いと思います。
美しい空色の羽根を持つオナガを見かけたら、ぜひ立ち止まって観察してみてください。
あ、美麗な紳士の「だみ声」もお聞き逃しなく!
では、また次回!!
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今回使用した機材画材
ステッドラー水彩ペン
ホルベイン色鉛筆
NIKON D500
Nikkor AF-S 200-500mm f/5.6E ED VR