InstagramやFacebookなどSNSの普及で、写真撮影が身近になりました。
珍しい場所や凄い瞬間、珍しい生き物など、人が撮っていないような写真を求める人も多いと思います。
しかし、その一方で、写真を撮るときのマナーの悪さが問題になっています。
周りの状況把握や、自然界への敬意不足など、中には悪質なものまで様々。
ということで今回は、気持ち良く写真撮影ができるよう。
撮影マナーについて纏めてみたいなと思います。
しかし、カメラ撮影全般で考えると、とても広くなってしまいます。
ですので、今回の記事は【野鳥撮影】のお話です。
しかし、どんな場面でも応用できると思いますので
日頃の何気ないスマホ撮影の時でも、気にしてみてくださいね!
![野鳥撮影はマナーが大切](https://mililie.com/wp-content/uploads/2022/02/DSC00257-1024x683.jpg)
目次
野鳥撮影のマナー
1.周りの人への配慮
まず、一番議論になるのがここだと思います。
カメラマンの方々は、一生懸命に撮影するあまりに、周囲の状況に意識がいかなく場合があります。
公共のスペースでは、他のお客様も大勢います。
しかし、撮影に集中するあまり、周りへの配慮が欠けてしまうのです。
【周りへの配慮】ここを忘れずに抑えておけば、大抵のことはうまくいくと思います。
ですので、一番肝に銘じておきたいことです。
【自分の思うようにいかない場面】
【カメラの前を横切られた】【せっかくの被写体に近づいた】など撮影中
自分の思うようにならない場面は多々あります。
その際、イライラするのではなく、じっと待つ事が大切です。
また、いい写真が撮れるかは運もあります。つまりタイミングの要素が大きいのです。
思ったような写真が撮れなかった、それもタイミングです。
その事を頭に入れておけば、むやみにイライラすることもありません。
何時間もオオタカを狙って待っていた。
しかし、オオタカが出てきた瞬間に、たまたま通行人が通りかかった。
そんなことも起こるでしょう。
しかし、その通行人の方が悪いわけではありません。
単純に、その日はついていなかったと思うしかありません。
![ヘラサギの写真](https://mililie.com/wp-content/uploads/2022/04/DSC_4341-1024x683.jpg)
【場所を占領する】
三脚の記事でも書きましたが、ベストポジションを占領するカメラマンも多いと思います。
大きな三脚を広げて【ここは自分の場所だ!】とばかりにスペースを確保する。
本人はそんなつもりはなくても、周りから見ると迷惑という場合も多々あります。
野鳥撮影で三脚って必要?そろそろ辞めませんか?
一度三脚を広げると、移動するのも大変です。
その為、どうしても同じ場所に居座ることになります。
その場所、本当に邪魔になっていませんか?
他の方が通行する道ではありませんか?
今一度、三脚の使い方、またスペースの確保の仕方は見直したいところです。
また、ベストポジションというのは必ずあります。
その場合、一人のカメラマンが占領するのではなく
他のカメラマンやバードウォッチャー、他の観光客の方々と気持ちよくシェアしたいところです。
![キジの写真](https://mililie.com/wp-content/uploads/2022/04/DSC_4567-1024x683.jpg)
【多くの人々がいる】
いくら有名な野鳥観察スポットでも、そこに集まっている人がみんな野鳥が目的とは限りません。
散歩に来ている人、家族と遊びに来ている人、周辺に住んでいる人。
多くの方々が、周りにはたくさんいます。
野鳥を追いかけることに一生懸命になると、そんな周りのことが見えなくなってしまいます。
散歩コースに入っていってしまったり、子供たちの遊ぶ広場にないってしまったり
周辺住民の方の市有地に入ってしまったり。
多くの方が利用する場所であることを忘れないようにしないといけません。
![みんなで仲良く気持ちよく](https://mililie.com/wp-content/uploads/2022/02/DSC_5309-1024x683.jpg)
2.環境への配慮
マナーは人に対してだけではありません。周りの環境にもしっかり配慮したいところです。
【公園の場合】
公園の場合、立入禁止区域も多くあります。
野鳥撮影をしていると、野鳥が森の中に逃げてしまって追いかける。
そんな場面も出てくるでしょう。
しかし、立入禁止区域には入ってはいけません。
立ち入り禁止というのは理由があってそうなっているのです。
立入禁止区域に入ってしまうことで、木々を傷つけてしまったり
公園の設備を壊してしまったり、場合によっては自分が怪我をしたりしてしまいます。
【自然の場合】
公園の場合は、きちんと区分けされているので分かりやすいのですが
自然の中に入っていく場合は、その境界線が分かりづらいものです。
その場合、できるだけ草木やその場の環境を変えないことを意識したいところです。
草木を折ったり、石を動かしたり、木を切ったり。
そういう行為はできるだけしないようにしましょう。
また、トイレも我慢するようにしてください。
『どうせ自然に還るんだしいいよね?』そう思う方が本当に多いのですが
人間の排泄物は、自然の環境に大きな影響をもたらすことがあります。
登山の場合でも同様で、この辺りのマナーは徹底されているのです。
簡易トイレなどの携帯がないのでしたら、一度トイレのある場所まで戻りましょう。
また、基本的なことですがゴミは持ち帰る。
自然はできるだけ来た時と同じ状態で帰りたいと思います。
人間が思っている以上に、人間の行為は自然に影響を与えています。
ですので、できるだけ存在感をなくす。
自然は自然のままにしておく。
そういった心がけが大切だと思います。
![環境にもマナーを](https://mililie.com/wp-content/uploads/2022/02/camera-g7d526c1f4_1920-1024x683.jpg)
3.野鳥への配慮
そして一番忘れていけないのが被写体への配慮です。
【餌付け】
これも別記事で書いたことなのですが、餌付けは決して野鳥のためにはなりません。
もちろん、餌付けをすることにより野鳥が近くに来てくれるという事はあります。
しかし、人間のエゴで野鳥たちの生活を改変することは間違っていると思います。
【餌付け問題】野鳥(野生動物)への餌付けは正義か?
【鳴き声を流す】
これは、私も経験があります。
野鳥観察初心者の頃、カワセミの鳴き声を確認したくてYouTubeでカワセミの鳴き声を流したことがあります。
すると、本物のカワセミが驚いて飛び出してきたのです。
多分、自分のナワバリに他のカワセミが入ってきたと勘違いしたのでしょう。
明らかに威嚇をしながら、私たちの方へ飛んで来ました。
バードコールなど、野鳥の鳴き声を真似たり
録音した野鳥の鳴き声を流したり
そうやって野鳥を誘き寄せるという行為も実は問題です。
不必要に野鳥にストレスをかけてしまいますし、自然な生活を妨げる行為です。
【ストロボ撮影】
ストロボ撮影も野鳥撮影の時には絶対にやめてほしい行為です。
Instagramなんかを見ていると、明らかにストロボを焚いている写真を見かけることがあります。
ハイスピードシンクロ(日中シンクロ)をして野鳥を印象的に撮影したり
夜にフクロウをストロボ撮影したり。
ストロボを焚くと綺麗な写真になることは間違い無いのですが
野鳥にとっては本当に迷惑な行為ですし、過度なストレスをかけることになります。
暗い場面の撮影は難しいと思います。
しかし、ストロボを焚くのではなくISO感度を上げて対応しましょう。
また、ストロボでなくても照明を焚くことも同じです。
街灯など、備え付けの照明はしょうがないですが、持ち込みの照明を焚くこともやめましょう。
【驚かせる】
これも初歩的なことではあるのですが
水族館で、動かないアザラシを動かすためにガラスをバンバン叩く。
それと同じことを、野鳥撮影の時に行う人がいます。
じっとしていて動かないゴイサギ(夜行性)を大きな声を出して驚かせる。
そして、飛び立った瞬間を撮影する。
また、昼間は寝ているフクロウを驚かせて、目を開けた瞬間を撮影する。
そういった行為は、写真を見ていてもわかるぐらい横行しているように思います。
自然界に暮らす野鳥には、彼ら独自の時間が流れています。
じっとして動かない。そういった時でも彼らなりに必要な時間なのです。
それを、いい瞬間が撮影したいからと驚かせて動かす。
そういった行為は本当にやめてほしいなと思います。
![メダイチドリの写真](https://mililie.com/wp-content/uploads/2022/04/DSC_6577-1024x683.jpg)
【追いかけ回す】
先ほど、人への配慮の時にも触れたのですが
私は、野鳥撮影は運と出会いだと思っています。
たまたま、いいポジションに野鳥が出てきてくれたらいい写真が撮れる。
その運を掴むために、足繁くフィールドに通い、撮影技術を向上させる。
だから、ゆっくり森に入っていき、じっと野鳥が出現するのを待つ。
そうすることで、自然の中での彼らの暮らしを観察できますし
より自然な表情を撮影することができると思っています。
しかし、中にはずんずん森の中に入っていき、野鳥を見つけては追いかけ回す。
そういった撮影方法を撮っている人もいます。
これも、先ほど書いた驚かせるという行為になると思います。
ズンズン歩いていけば野鳥は驚いて飛び立ちます。
そうすると、場所が分かりますからその跡を追えば、確実に野鳥を撮影することができます。
しかし、その行為が野鳥にストレスをかけているのです。
野鳥にストレスをかけ続けるとどうなるでしょう?
きっと、野鳥たちは人間に近づくのをやめてしまいます。
そうして、彼らの生活圏はどんどん狭くなっていくでしょう。
そうなると、人間はさらに野鳥を追いかけていくこととなります。
この悪循環が、野鳥の生活圏を極端に狭め、数を減らすきっかけになっているのです。
【位置情報の開示】
これは少し盲点だという人もいるかもしれませんが
野鳥観察の位置情報は無闇矢鱈にSNSなどで開示するのはやめましょう。
最近では、新宿御苑に【ロクショウビタキ】がきたという情報がSNSで拡散されました。
すると、全国から多くのカメラマンが押し寄せ(300人集まったとか)大変な騒ぎになりました。
野鳥は規則正しい生活を送っています。
ですので、一度目撃された場所にまたやって来る確率が高くなります。
そのため、目撃された場所は貴重な情報として拡散されるのです。
ここに行けばあの野鳥が観察できる!
そういう風に簡単に野鳥観察をしたいのはわかるのですが
できるだけ、自分の足と知識を持って、野鳥を探していきたいものです。
![野鳥にもマナーを](https://mililie.com/wp-content/uploads/2022/02/DSC_5299-2-1024x683.jpg)
野鳥撮影はマナーを守ろう
いかがだったでしょうか?
ついつい忘れてしまうこと、思いもよらなかったこと
それぞれいろいろな感想があると思います。
ここに書いたこと以外にも、もっと忘れていることもあるかもしれません。
野鳥観察だけをしてるうちはまだいいのですが
野鳥撮影を始めると、撮影が目的になってしまって
大切なマナーを忘れてしまうことがあります。
いい写真が撮りたい!
その思いが、周りへの配慮を欠く原因になります。
それに、少しぐらいいいか!という甘えにも繋がってしまうのです。
SNSの普及で、いい写真を撮ることの競争のようになっているのでは無いでしょうか?
何度も書いてますが、野鳥撮影は【出会いと運】だと思います。
自然相手の撮影は、スタジオでの撮影のように思うようにはいかないのです。
そのことを忘れずに、自然や周りの人々にも謙虚に向き合っていく。
そういう姿勢が、マナーを守る根底には必要なのでは無いでしょうか?
Nikonの公式サイトでもマナーへの警告が出ています。
野鳥撮影のマナー
いろいろな情報を仕入れて、ぜひマナーを守った楽しい時間を過ごしたいものです。
ではまた次回。