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ドバトの色々な羽の色

ハトといえば、多くの人がイメージするのが【ドバト(カワラバト)】だと思います。
公園や神社、最近では駅のロータリーなんかでもよく見かけるあのハトです。

みなさんこの鳩を見ていて疑問に思ったことはないですか?

「なんで色々な色の鳩がいるのだろう?」と…

そこで今回は、このハトの羽の色について記事にしていこうと思います。

目次

ドバトの羽の色

ドバトの歴史

まずは簡単に、この鳩がどういう鳥かをご説明します。
これを知っているのと知っていないのでは、この鳥に対する気持ちが大きく違うからです。
ちなみに、私はドバトは大好きです!
見かけるたびに、その色々な羽の柄を楽しんでいます。

日本での起源と名称

この鳩のもともとの正式名称を【カワラバト】と呼びます。

海外では紀元前より家禽化(人間が飼うこと)され、通信(伝書鳩)やレースばと、観賞用などで人の近くにいた鳩です。
日本にはもともと住んでいない鳩なのですが、弥生時代ぐらいに日本に持ち込まれたと考えられています。

平安時代には、野生の鳩(キジバトやアオバトなど)と区別され、ペットや贈り物として人気があったことが伺えます。
また、江戸時代になると、伝書鳩として利用されていたことも伺える資料が残っています。

そんなカワラバトですが、人間の元を逃げ出し神社のお堂に住み着くことが多くなり。
【ドバト(お堂に住む鳩)】と呼ばれるようになっていきました。

何故色々な色がいるのか?

家禽として人の近くで暮らしていたカワラバト。
人の移動や物流の流れに乗って、世界中にその生息域を広げていきました。

その過程で、色々な交配を行い、さまざまな色味が生まれたと考えられます。
人気の色というのもあるらしく、鎌倉時代に書かれた【吾妻鏡】では白い鳩が吉兆を告げる存在として描かれています。

また、1949年にパリで開催された平和擁護世界大会のポスターをピカソが書いた際。
真っ白なハトを平和の象徴として描きました。

しかし、平和の祭典で放鳥された鳩も、逃げたりして、違う色の鳩と恋に落ち、子供を産んでしまいます。
複雑な交配が、今のさまざまな羽色を作ったという事になります。

ハトの羽色

さて、山階鳥類研究所という日本の研究機関が、ドバトの羽の色を7タイプに分けて定義してくれています。

羽色7タイプ

  • 灰二引(翼全体は灰色で翼に日本の黒い線のあるもの)
  • 黒(全身が黒色で、翼部分の班が少ないもの)
  • 灰胡麻(灰二引タイプの羽色で、翼の灰色部分に黒斑が含まれるが、翼の50%以上が灰色のもの)
  • 黒胡麻(灰胡麻の逆タイプで、翼の50%以上が黒色で、翼には灰色の班があるもの)
  • 栗(赤褐色の色彩を持ち、全体が赤茶のものや灰色味の強い赤褐色の班のあるもの)
  • モザイク(雑班とも呼ばれ、種々の色彩のものが混ざり合ったもの)

以上7タイプがドバトの羽の色になるようです。

羽色の地域差

山階鳥類研究所(1956~1978)やバードリサーチ(2018)という調査機関が、ドバトの羽色の地域差について調査をしています。
すごく個体数の多いドバトですから、全てを見ていくのは時間もお金もかかるので難しいです。
しかし、地域による羽色の傾向がわかる程度の調査は行えました。

その結果、東京(関東)と大阪(関西)を比べた結果、東京の方が灰二引が少ないことがわかりました。
ちなみに、灰二引は野生カワラバトの羽色で、最もスタンダードなドバトの色だといえます。

逆に、東京は黒や黒胡麻の割合が多かったとか。
それと、全国的に白の割合が少ないことも指摘されています。

また、1970年代を境に、灰二引の割合が減っているというデータも見えてきています。

なぜ東京と大阪で地域差があるのか?

そのあたりははっきりわからないみたいですが、羽色による捕食者からの影響の違いや、環境による目立ちやすさ、レース鳩の色味の地域による流行など
色々な影響が考えられそうですよね。

最後に

今回の記事は、ハトの羽の色についてあれこれ書いてみました。
個人的に、ドバトを見ると個性的な柄を探したくなってしまいます。

今回の記事のように、羽の色について少し知っていると、日頃のドバト観察が少し楽しくなるのではないでしょうか?

色々な柄のドバトを見てみたくなります。

ではまた次回

山階鳥類研究所の調査

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