目次
ご近所で見かけるヒヨドリの意外な顔
やかましい奴
ヒヨドリを見たことがないという人は、少ないのではないでしょうか?
野鳥観察を趣味にしていない人でも、スズメとヒヨドリくらいは知っているという方は多いはず。
なにせ、どこでもよく通る声で「ひ~~~よ!ひ~~~~よ!!」と鳴いては、大きな顔をしていますものね。
余談ですが、この「ひ~~よ! ひ~~よ!!」と鳴く声が、ヒヨドリの名前の由来だとかいう説もあります。
ほんとだとすると、う~~む・・・なんだか短絡的。
ジャイアン
ヒヨは、縄張り意識が強く、そして食いしん坊。
ほかの小鳥がやってくるとギャーギャーと大騒ぎをして追い払ってしまうことも多いので、バーダーたちには厄介者扱いされる場合も多いです。
木の実をついばんでる小鳥たちを「あっちいけ」と蹴散らす姿は、頻繁にみられます。
そして、自分たちのいる場所にほかの小鳥たちが入ってくるのも許さない。
まさに、「お前のものは俺のもの!俺のものも俺のもの!」状態。
体も大きいし、例えるなら、まるでジャイアン・・・。
「なんだヒヨか・・・」な、ガッカリ系??
というわけで、とても大きな顔をしている鳥です。
だから存在感も大きい。
つまりは・・・目にとまりやすい。
しかし「何かいる!」と慌てて双眼鏡を構えて期待たっぷりに覗き込み、ヒヨちゃんだった時の「「ちょっとしたガッカリ感」てば。(ごめんよヒヨちゃん)
バードウォッチャーあるあるなんですよね~~~~。
「なんだ・・・ヒヨか・・・」と思わずつぶやいてしまいがちよね~~。
しかし、よく見かける鳥なのに・・・以外と知らない彼らの生態!
彼らはいったいどんな鳥なのでしょう。
ヒヨドリの好物(好きな食べ物)
さて、ヒヨちゃんは全長27~29cmほど。
小鳥と呼ぶにはちょっと大きい鳥だし態度もでかいので、存在感も大!
長く鋭いクチバシも持っているし、気が強いし。
「もしかしたら昆虫やカエルなんかを好んで食べてるの?」と思う方も多いようですが・・・
実は、彼らの好物は甘い果物や木の実、そして花の蜜。
結構、乙女な食べ物がお好き。
甘いものが好きなんですよね。
しかし、繁殖期にはたんぱく質が必要なので、果物に加えて昆虫類も食べることが増えるそう。
柿の木やセンダンの木に実がなる季節になると、ヒヨドリが集団でついばんでいる姿を見かけます。
しかも、食いしん坊の大食漢なので、あっという間に食べつくしてしまう。
(話によると、野鳥のための餌台を設置している場所でも、ヒヨドリが来るとあっというまにリンゴやミカンがなくなってしまうんだそう)
害鳥としての一面
果樹農園の方にとっては、彼らは害鳥だと言われます。
自治体の許可をとれば駆除してもいいという地域もある様子。
大事に育てた果物を食べ散らかされたら、困ります。
しかも大食漢が集団で飛来するのです。
大切に育てた果物はひとたまりもない・・・果樹農家の方が怒るのも当然です。
しかし、環境破壊などが進み、彼らが食べる実をつける木や草が減ってしまっている、ということも大きな原因です。
山や野に食べ物が無いせいで、果樹園に飛来するのです。
山に食べるものがなくなって、町に出現するイノシシやクマと同じですね。
とどのつまり、もともとは人間の責任。
だから、一概にヒヨだけを糾弾することはできません。
動物を駆逐するだけで問題が解決する・・・とはいきません。
これが環境問題の難しい点です。
そして、ヒヨは果物のほかに花の蜜や花粉も大好き。
なので・・・早春に咲く我が家の庭のツバキの木の常連さんです。
大きなツバキの花に顔をつっこんで(時には花ごと)、顔中に黄色い花粉をつけ一心不乱に食べているヒヨちゃんを見ると、
「なんだか憎めない食いしん坊だな」という気持ちになりますよ。
ヒヨドリは留鳥か?
実は渡り鳥?
とにもかくにも、一年中、そこいら中にいるような気がするヒヨドリ。
ヒヨドリは留鳥でしょ?と思ってしまいますが・・・
実は、ヒヨドリは渡り鳥・・・だった!
だった・・・というのは・・・
1970年代あたりまで、ヒヨドリは冬鳥として日本に渡ってくる渡り鳥でありました。
つまり、昔はヒヨちゃんは日本では冬にしか見られない鳥だったのです。
ところが、何が原因か(温暖化のせいでしょうか)今や、ほぼ留鳥となって一年中みられるというわけ。
しかし、現在も彼らの中には、冬に北海道方面から本州方面へ移動するものも多くいるようです。
というわけで、ヒヨは「留鳥」と「日本を漂う漂鳥」がいるというわけですね。
ヒヨドリは珍しい!!
生息地はどこ?
さて、あちこちで見かけるヒヨ。
実際のところ、私たちにとっては、見飽きた感は否めないのこの鳥。
ヒヨドリの生息地域は、日本、サハリン、朝鮮半島南部、台湾、中国南部、フィリピンの一部といわれます。
結構限られた地域に生息している鳥ですね。
そして、その中でも日本列島に一番多くの個体数が生息していると言われます。
・・・ということで、日本人には見飽きた鳥ですが
海外の人にとっては大変「珍しい鳥」
ヒヨドリ観察に、わざわざ日本を訪れる海外のバードウォッチャーもいるそうです。
自分が見慣れてるからって、「ありきたり」だと思っちゃいけないんですね。
ヒヨちゃん、あなどってごめん。
海外の人は「珍しい」「見たい」と思っているヒヨちゃん。
もし、いい写真が撮影できてSNSでシェアしようと思ったら、ぜひ英語でヒヨちゃんの名前をタグ付けしてください。
きっと、海外のバーダー方が反応してくださるはず!
ちなみに、ヒヨドリの英名は ”Bulbul”
ヒヨドリはいろいろ種類がいますが、日本にいる種類は ”brown-eared bulbul”というそう。
ハッシュタグは、 #bulbul #browneraedbulbul となりますよ!
頭のいい鳥
平安貴族のペット
さて、さて、そんなヒヨちゃんですが・・・実は、とっても賢い鳥。
なんと平安時代には、貴族のペットとして飼われていたとか。
しかも、ヒナから育てることで飼い主を見分けることができるほどに、よくなつくというのだからなかなかの賢さです。
そんなかわいいヒヨちゃんに貴族たちもめろめろで、名前までつけてかわいがったそう。
その感覚って現代と一緒でなんだかうれしくなりますね。
ヒヨドリは面白い
よく見て!美しい鳥ですよ!
そんなわけで、平安貴族にも愛されたヒヨドリ。
「なんだ・・・ヒヨか」と思わず、よ~~く観察してみてください。
ほら、ほら、ほら・・・
シルバーグレーのボディに、ブルーグレーがかった頭、顔の赤褐色はまるでチークのようです。
そして、灰褐色の翼と尾、お腹には白でドット模様も入ってます。
シャープな体つきに、すらりと長い尾も素敵。
パンクなヘアスタイルもなんだかクールじゃないですか?
個人的に、ヒヨドリのカラーリングは上質で渋い品のいい着物の色合わせのようで大好き!
見ていて面白い
加えて、見ていて面白い鳥です。
派手さはないのですが、賢いからなのか・・・観察していて妙に表情が豊か。
おいしそうに木の実をほお張ったり、小鳥を蹴散らして威張ってみたり、かと思えば、自分より体のおおきな鳥に意地悪されてぷんぷん怒っていたり。
行動が本当に面白い鳥です。
なんだか憎めないのよね。
というわけで、今日はご近所で手軽にみられる野鳥の中の1匹「ヒヨドリ」についてでした。
簡単に見つけやすくて、観察して面白い!
なにも珍しい鳥を見に、森に分け入ったり遠方まで出かけたりするのがバードウォッチングではありませ~~ん。
近所の公園で、自宅の庭で、散歩の途中で・・・ぜひぜひ、ヒヨドリ観察楽しんでください。
そこにいるのは、平安貴族も愛したあの鳥ですよ!
ではまた次回!
今回使用した画材・機材
ステッドラー水彩ペン
ホルベイン色鉛筆
NIKON D500
Nikkor AF-S 200-500mm f/5.6E ED VR
わが家のガラス窓にしがみつき、ひたすら口ばしでつついています。
ジョウビタキは同じことをする鳥だとネットで読みましたが、「ヒヨ」にはそんなことは書いてないのですが、ひたすら窓ガラスに向かって尖った口ばしてつつきます。
撃退する方法があれば教えてください。
よろしくお願いいたします。
松永さま
コメントありがとうございます。
撃退する方法ですか、ちょっと難しいかもですね。
というのも、鳥はすごく賢い生き物なので(カラスだけでなく)撃退するのはすごく難しいのです。
ですので、ハト対策などと同じで、防護ネットを張るとかしか方法はないかもしれません。