目次
コゲラ(小啄木鳥)
小啄木鳥は小さな毛玉みたいでかわいいよ!ときいてコゲラを探しに森にやってきたコアラ。
さて、耳を澄ますと・・・かすかに木をつつく音が聞こえてきましたよ。
コゲラはどこにいるかしら?
コゲラの特徴
小さなキツツキ
コゲラを漢字で書くと、小啄木鳥。
啄木鳥=キツツキ(ゲラ)のことです。
つまり、コゲラは小さなキツツキという意味ですよ。
コゲラの大きさは?
さて、キツツキときくとなんだか少し大きめな鳥を想像してしまいますが
小啄木鳥は文字通り小さなキツツキ。
全長は13~15cmくらい。(メスのほうがちょっと大きい)
だいたいスズメと同じくらいの大きさです。
どうでしょうか?
まだ見たことがない人は、自分の想像より小さいなと思われた方が多いのではないでしょうか?
少なくとも私は、初見では思わず「ちっちゃ!!!」って声がでちゃったくらい小さかったです。
日本にいるキツツキの仲間では、一番小さいと言われていますよ。
どんな見た目の鳥なの?
頭部は濃いグレー(ちょっとココア色がまじるようなニュアンスカラー)!
背中は白と黒のまだら模様です。
お腹はクリーム色に黒の斑点。
また、オスは頭部両サイドに赤い羽根が生えています。
しかし、内側に隠れているので動いた時や風に吹かれたときなどにちらりと見える程度。
つまり普通の状態だとほとんど見えません。
インナーカラーでかくれたおしゃれって感じでしょうか。
ただ、雌雄同色で、違うのはこの隠された赤い羽根だけなので見分けるのがちょっと難しい野鳥です。
そして、全体的にぽわぽわとした毛が特徴的で、まるで毛玉がちょこまか動き回っているように見えるのがとても可愛らしいです。
さらに、ちょっと頭が大きめでずんぐり見えるのも愛らしさに拍車をかけている気がします。
まるでぬいぐるみのような、かわいさですよ。
コゲラの生態
何を食べているの?
小啄木鳥は雑食!
キツツキのイメージ通り、木の幹などに潜む虫やクモを食べます。
樹木に潜む虫を探すときは、耳を木の肌につけるようにして木肌の下に潜む虫の音を注意深く聞きますよ。
耳がいいな~~~。
そしてもちろん、穴をあけて虫をゲット!
また、木の実や種や果物も食べるようです。
どこにいるの?
コゲラは、日本列島(北海道から沖縄まで)だいたいどこにでもいるキツツキです。
平地から産地の森林などのほか、樹木のたくさんあるような都市公園でも近年姿を見せる鳥です。
やはり啄木鳥ですからね。
木があるところじゃないといけません。
結構だみ声!さえずりは?
コゲラは「ギー!ギー!」と鳴きます。
自然豊かな公園や林など、木の多い場所で耳を澄ませると・・・結構あちこちで鳴いているのが聞こえます。
結構わかりやすい声なので、バードウォッチングをはじめたばかりのころは一番に見分けやすかった声です。
では、さえずりは?といいますと・・・
コゲラはさえずらないと言われます。
その代わり・・・ドラミングという方法で縄張りを主張したり、求愛をしたりしているのです。
ドラミング
さて、ドラミングというのはキツツキが木をつっつく行為。
その際に、独特の音を発します。
【ドラミング】をする理由はいくつかあります。
まず、餌の確保のため。
これは前述しました通り、木の幹の中にいる昆虫などを捕食するための行動。
次に、巣営(巣作り)のため。
そして、最後がさえずりの代わりです。
つまり、縄張り主張をしたり、求愛をしたりとコミュニケーションツールのひとつだというわけです。
とはいえ、コゲラのドラミング音はさほど大きいものではありません。
しかし、彼らをみつけたらよ~~く耳を澄ませてください。
鳴き声ともまた違う、ドラミングの独独の音が聞こえるはず!
慣れてくると鳴き声だけでなく、ドラミング音で場所が特定できるようになるはず!
キツツキの秘密
余談ですが、キツツキが木をドラミングしているのを見ていると・・・
その仕事の速さに本当に驚きます。
コゲラなんて、あんなに体が小さいのにあっという間に結構な大きさの穴を拵えるのですよ!
あんなにクチバシを高速で固い木に打ち付けて、頭がくらくらしそうですよね。
人なら絶対に、脳震盪もの。
この疑問に挑んだ学者がいます。
2006年にイグノーベル賞を受賞したカリフォルニア大のアイバン・シュワブ先生!
その研究のタイトルはずばり!
なぜキツツキは頭痛にならないのか
キツツキは、クチバシの先端にかかる衝撃を、全身へと分散させるしくみを持っているんだとか。
まずは、クチバシの付け根の、衝撃吸収クッションみたいな筋肉。
また、頭部の骨が分厚く頑丈になっており、さらに脳もとても小さいので脳震盪をおこしにくいんだそう。
さらには、木を突っつく前に瞼を閉じます。
ゴミが入らないようにするためもありますが、目から具(脳みそとか)が飛び出さないようにしてるんですって。
ひ~~~!キツツキすごい。
そんなにしてまで木をつっつきたい??っと思わなくもないですが、これがキツツキの種族の独自の進化。
すごいんです。
キツツキはなぜ頭が痛くならないのか
キツツキはなぜ頭が痛くならないのか | ナショナルジオグラフィック日本版サイト (nikkeibp.co.jp)
垂直に動ける!
また、彼らは両足と尾羽で体の3点で体を固定することで、樹木を自由自在に動き回ることができます。
まさに、樹木の上は彼らの独壇場?とでもいうべきかもしれません。
小さい体でちょこまかと動き回る様を見て、私はいつも「虫みたいだな」と思いますよ。
観察のポイント
よくいるのに観察しにくい鳥コゲラ
都市公園や大きな樹木がたくさんあるような場所ですと、結構いるコゲラ。
そういえば、先日高尾山に行った際も人がうじゃうじゃいる道のわきの木に、たくさんいましたよ。
案外人を怖がらない一面もありますので、近くまで近寄ることができる場合も多いです。
しかし、その反面、なかなか「観察しにくい」という面も持っています。
すばしっこい!!
コゲラの声が聞こえるな?・・・と居る木を断定し、双眼鏡を構える。
ん??あれ?いたはずなのに・・・??
なんてことが、野鳥観察を始めたときにはよくありました。
前述の通り、小啄木鳥はとにかくすばしっこい!
ちょまかちょこまか ちょこまかちょこまか・・・せわしなく移動し続けます。
あんまり一か所でのんびりとまっていてくれるってことが少ない野鳥です。
先回り
小啄木鳥を観察するにあたって、大事なのは「先回り」。
彼らの動きを読んで、先に双眼鏡やカメラを構えておくのがお勧めです。
「鳥の考えることなんてわからないよ」とおっしゃる方も多いかと思いますが・・・そこは動き方をじっくり観察しておくのが大事。
(そこも野鳥観察の面白さですね)
コゲラの場合は、観察していると・・・木の幹や枝をらせん状に移動するという習性があるように思います。
それを知っていれば、「あ・・・見失った・・・」と思っても、次はだいたいこのあたり来るなっていうアタリがつけやすくなりますね。
行動を予測して観察すると、じっくりとその姿を見ることができますよ。
まとめ
というわけで、今日はあなたの身近にたくさんいる小さなキツツキ「コゲラ」について書きました。
「キツツキなんて山奥に行かないとみられないんでしょ?」って結構多くの人が考えているようです。
しかし、少し樹木の多い公園や低山、湖畔の森などにはたくさんいる野鳥なのです。
脳震盪を起こさぬように独自の進化してまで、樹木を今日も突っつきまくっているキツツキちゃん。
その姿をぜひ、肉眼でご覧ください。
こんな近くに、そんな面白い野鳥がいるなんて考えただけでもワクワクしますね!
それではまた次回!
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今回使用した画材・機材
ステッドラー水彩ペン
ホルベイン色鉛筆
NIKON D500
Nikkor AF-S 200-500mm f/5.6E ED VR