目次
ニュウナイスズメ
里山にやってきたコアラは珍しいオレンジ色のスズメさんを発見!
ほっぺにトレードマークの黒斑もないよ!
珍しいスズメさんだね。
もしかしてあれは・・・ニュウナイスズメ???
スズメとの違い
ニュウナイスズメは、私たちのすぐ身近にいる見慣れた野鳥「スズメ」とは違う野鳥です。
今回はまずスズメとニュウナイスズメの違いについて、書いていきたいと思いますよ。
大きさも14cmくらいでスズメとほぼ同じ。
ぱっと見の印象では違いが無いように見えます。
しかし、主な違いは2つ
・住む場所
・見た目
まずは住む場所の違いから。
ニュウナイスズメはどこに住んでいる?
朝目が覚めると、窓際からちゅんちゅんと声が聞こえます。
カーテンをあけてみると、電線には可愛らしいスズメの姿が!
そう、スズメは私たち人間のすぐそばに暮らしている野鳥です。
人間の家の近くに巣をつくり、ヒトの気配のある場所で生活をする道を選択した野鳥なのです。
なので、人里遠く離れた人の生活の気配が全くない山の奥などでは、スズメを見ることはありません。
それに比べてニュウナイスズメは、森や林、田園地帯や里山など比較的山の方に住む野鳥です。
都市部や街中よりは自然の多い田舎の方に住んでいますよ。
ほっぺの黒斑
雀は地味な色の鳥ですが、その愛らしさを印象づけているのが頬の黒斑。
あの黒い●がスズメのチャームポイントですね。
しかし、ニュウナイスズメにはその黒斑がありません。
明るい栗色
チャームポイントのほっぺの黒丸がないかわりに、きれいな明るい栗色(オレンジブラウン)の体色がチャームポイント。
見慣れているスズメは、どちらかというと赤味を感じるシックなココアブラウンなので、比べてみると色は全然違います。
オスとメスは色が全然違う!!
雀は雌雄同色。
つまり、オスもメスも同じ色柄をしていますね。
しかし、ニュウナイスズメはオスとメスで色が違います。
オスは先ほども言及した通り、スズメより明るいオレンジブラウンです。
ほっぺに黒斑はなく、クチバシの下(喉元)に黒い斑がありますよ。
そして、メスは・・・グレーがかったベージュ!
こちらもほっぺに黒斑はなく、メスは喉下の黒斑もありません。
雄雌が全く違う色なので、一緒にいても「あれ?違う種類の鳥さんかな?」と思ってしまうほど印象が全く違います。」
ニュウナイスズメの生態
漂鳥!
スズメは留鳥です。
そのため、一年を通して住む場所を変えません。
しかし、ニュウナイスズメは「漂鳥」です。
つまり、季節によって住む場所を少しだけ変えますよ。
渡りをするほどではないですが、夏場は山林へ、冬場は田園地帯や河川敷に多く見られます。
スズメと混群??
そのため、冬場はスズメと一緒に行動することもあるようです。
スズメは都市部だけじゃなく田園地帯や河川敷などにも多くいますからね。
また、種の違う動物が一緒に行動を共にすることを「混群」といいます!
だから、冬場に田畑や河川敷でスズメの群れを見かけたら「なんだ雀か」なんて言わず、双眼鏡で1匹1匹をよく観察してみてください。
オレンジ色のほっぺに黒斑のないスズメが混じっていたら、それはニュウナイスズメかもしれません。
何を食べている?
ニュウナイスズメは雑食です。
穀物や草木の種、昆虫などを食べています。
また、秋には実ったお米を食べるので、農家の方にとってはあまりありがたくない鳥(害鳥)でもあるらしいですよ。
ニュウナイスズメはなんと鳴く?
スズメに似た鳴き声で鳴きます。
つまり、ちゅんちゅん ぢゅんぢゅん ってかんじですね。
名前の由来?
「にふ」無いスズメ
ニュウナイスズメの名前の由来は諸説あるようです。
まずは「にふ」無いスズメの説。
これは、ほっぺの黒斑がないスズメという意味です。
「にふ」というのは「斑(ふ)」の古語ですよ。
柳田國男の説
また、民俗学の父、柳田先生が言われたらしい説「新嘗雀(にいなめすずめ)がなまってニュウナイスズメとなった」説もあります。(ソースが見つからなかったのですが)
新嘗とは、新米を神にささげる儀式のこと。
つまり、夏は山林にいて、秋の新米の実るころに里山に下りてきて新米をほお張るのでそう呼ばれたんでしょうか?
入内スズメ??
また、平安時代に藤原実方が左遷された恨みをこのスズメに託して、宮に入り(入内し)、
新米を食い荒らしたという説もあるんだそうです。
なんともネガティブな・・・。
しかし、実際に枕草子にも「頭赤きスズメ」として登場するので清少納言がいた平安時代にはすでにニュウナイスズメは日本に生息していて新米を食べまくっていたわけですね。
みなさんは、どの説を信じたいですか?
まとめ
今日は、ニュウナイスズメについて書きました。
街中で見る事はありませんが、少し自然の多い場所に行けば出会う機会は少なくはない野鳥です。
しかし、冬場に田畑や河川敷でスズメの群れを見つけたら、「ただのスズメか」とスルーせずに注意深く観察してみてください。
「頭赤きスズメ」が混じっているかもしれません。
ではまた次回!
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【今回使用した機材・画材】
ステッドラー水彩ペン
ホルベイン色鉛筆
NIKON D500
Nikkor AF-S 200-500mm f/5.6E ED VR