目次
シジュウカラ
シジュウカラの特徴と生態
身近な野鳥シジュウカラ
シジュウカラは、日本全国の平地から高地に住む日本人にはお馴染みの小鳥です。
愛くるしい姿で、スズメと同じく庶民派アイドルというかんじでしょうか?
全長14.5cmほどで、スズメくらいの大きさです。
また、頭部は黒、頬は白、あごの下からお腹にかけて黒い帯状のネクタイのようなラインがあります。
そして、背中がグリーンっぽい色味です。
雌雄はほぼ同色ですが、見分ける方法としてはお腹の黒いライン。
【ネクタイが太いほうがオス】と覚えておくといいと思います。
個体差もありますが、基本的にお腹のラインの太さで区別できますよ。
他のカラ類
シジュウカラの仲間はほかにもいます。
カラ類とは●●カラと名前の付いている種類の鳥の総称です。
こちらはヒガラさん。
ヒガラさんは、短いですが冠羽があるのが特徴です。確かに頭がちょっとぼさっとしてますね。
コガラはクチバシの下の黒いラインが短くてちょび髭みたいなのが特徴
色が青っぽく体もシャープで忍者みたいな動きをするのがゴジュウカラ
ゴジュウカラの生態と観察ポイント【イラストと画像あり】 – mililie
オレンジ色のお腹ととぼけた顔の人懐っこいのがヤマガラ君
ほかにも、北海道限定のハシブトガラもいますし、エナガを含める場合もあるようです。
彼らは、種類は違いますがエナガやコゲラと一緒に行動を共にすることもあります。
それを混群といいますよ。
なんか平和でいいですよね。
人間も仲良くしなくちゃ!
何を食べている?
シジュウカラは、雑食です。
木の実なども好きですが、小さな昆虫やクモ、芋虫なども食べます。
とても頭がよく、好奇心旺盛で人懐っこい鳥ですので、餌付けもしやすいと言われます。
しかし、可愛いから、愛でたいからという理由で人間が手を貸すことはルール違反。
また、冬の餌の少ない時期ならシジュウカラも助かるでしょ?という意見もあります。
しかしながら、野鳥のためを思うのであれば餌付けはやめよう・・・というのが個人的な意見です。
いつも付き纏う餌付け問題
野鳥は「野生」の生き物です。
可愛いから餌をあげるという発想は、人間のエゴだと思います。
さらに、冬は餌が無くてかわいそう・・・というのも同じく。
冬のエサ不足で個体数が減るというのは、ある意味自然淘汰の意味もあると思います。
生態系というのはとても微妙な危いバランスの上に成り立っています。
素人が思いつきで自然に手を貸すことは、それが良かれと思っての小さな行動でも・・・生態系に取り返しのつかない問題を招くこともあるのです。
(また、餌台は感染症を媒介する危険性が高く、また餌付けになれた野鳥は自ら餌をとる力が衰えてしまうと言われます)
【餌付け問題】野鳥(野生動物)への餌付けは正義か? – mililie
また、「かわいいのでペットとして飼いたい」という人もいるかもしれませんが、野鳥を愛玩目的(ペット)で飼うことは法律で禁止されています。(鳥獣保護法)
くれぐれもやめましょう。
さらに、傷ついた個体を一時的に保護し世話をする場合も、許可が必要です。
シジュウカラは凄いカラ!
鳴き声はコミュニケーションツール
四十雀(しじゅうから)の由来は、四十(たくさん)で群れているスズメのような鳥という意味だそうです。
文字通り、グループで行動します。
そして、そのグループ内で、彼らは鳴き声でコミュニケーションをとっています。
「危険だぞ!」「ここは僕の縄張りだぞ!」などなど。
ただ、それはシジュウカラに限ってのことではありません。
様々な野鳥がそうして危険を知らせたり、縄張りを主張したりしています。
ではなぜ、シジュウカラは特別にすごいのか?
文法を駆使して文をつくる!
彼らは、単語を繰り返すだけではなく、
様々な単語を組み合わせることで文章を作り文を作ることができるのです!
つまり、文法を駆使して文を作っているということ。
す・・・すごい。
さらに、どのくらいすごいことかというと、ヒト以外の動物で唯一だと言われています。
ピーツピ!=警戒せよ!
例えば、よく耳にする四十雀の鳴き声「ピーツピ!」これは「警戒せよ!」という意味です。
「ヂヂヂヂ!」というのは「集まれ~~~!!」という意味。
そして「ピーツピ! ヂヂヂ!」と鳴いた場合は・・・「警戒しながら、みんな集まれ!」という意味!
このようにして、10種類以上の単語(鳴き声)を組み合わせ、ざまざまな文章を形成し、より細かいコミュニケーションをとっているというわけ。
ほんとにすごい!
シジュウカラ科の鳥類は、異なる種類の音素(例えば、A、B、C、D)によって構成される構造的に複雑な発声(例えば、「チッカ」または「チッカ・ディー」という鳴き声)をする。シジュウカラの鳴き声のレパートリーには、10種以上の音素があり、単独で用いる場合と複数の音素を組み合わせて用いる場合がある。 <nature asia より>
【動物学】鳥の鳴き声は統語規則に従っている | Nature Communications | Nature Portfolio (natureasia.com)
文法を操るシジュウカラは初めて聞いた文章も正しく理解できる | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)
これは「鳥語」の研究者 鈴木俊貴 博士の研究で明らかになりましたよ!
鈴木博士のHP
TOSHITAKA SUZUKI WEBSITE – about me
まとめ
今日は、みなさんの身近な野鳥シジュウカラについて書きました。
見慣れた野鳥なので、正直、バードウォッチングになれた人は「なんだシジュウカラか」と思ってしまう人も多いのではないでしょうか?
しかし小さいながら、彼らは文法を駆使し高度なコミュニケーション能力を持った鳥でした。
これから先、この研究が進めば・・・いつの日か、シジュウカラと人が会話できるようになる日も来る!?・・・かもしれません。
そんな素敵な日が来ることを夢見て・・・さて、じっくりシジュウカラを観察してみましょう。
ではまた次回!
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【今回使用した機材・画材】
ステッドラー水彩ペン
ホルベイン色鉛筆
NIKON D500
Nikkor AF-S 200-500mm f/5.6E ED VR