目次
カワウ(川鵜)
川に野鳥観察に来たコアラ。
中州で羽根を広げるカワウさんを発見しました。
カワウさん、いったい何をやっているんだろう??
川鵜(かわう)の生態と特徴
水辺で見かける黒く大きな鳥
カワウは、川や公園の池、湖のほとりに佇んでいる黒い野鳥です。
全長は80cm~100cmととても大きい鳥。
結構よくいる鳥ですし、黒いので「なんだ鵜か」とスルーしがちですが、よく観察してみてください。
黒い羽根は、光の加減で青みがかった部分や緑がかった部分、コッパー色に光る部分がありとても美しい鳥です。
また、虹彩(目の色)がエメラルドグリーンでとってもきれいなんですよ。
そして、大きく裂けた口もポイント。
大きな獲物を丸呑みにできるお口です。
北海道(夏鳥)、本州(留鳥)、四国(留鳥)、九州(留鳥、冬鳥)、沖縄(冬鳥)でだいたい日本では年中見られますよ。
恋の季節はドレスアップ
また、カワウは繁殖期になると、頭部に白と黒の長い羽根が。
そして足の付け根に白い羽根が生えてきます。
さらに、顔がほんのり赤っぽく染まります。
「なんか頭が白い珍しいウがいる!」とびっくりする人も多いですよ。
恋の季節は結構派手にドレスアップするんですね。
集団で狩りをする??
カワウは、魚を捕食して食べます。
また、グループで連携して狩りをすることでも有名です。
その方法は、連係プレーで浅瀬に魚を追い込む「追い込み漁」。
何十(時には何百)羽のカワウが、一斉に魚を追い込み捕食する様子は大迫力です。
カワウの日干し
あなたは川鵜が川のほとりや中洲で、両羽根を広げてじっとしているのを見たことがありますか?
ちょっとほかの鳥はやらない面白い光景なので、見た人は忘れられない鵜の姿だと思います。
そして、カワウと同じように、もぐって魚を獲るカモなどが同じポーズをとっているのを見たことがないなと不思議になると思います。
それは、川鵜の羽根がカモ類の羽根と比べて撥水効果がうすいためです。
撥水効果がうすいというよりも、羽根に水が含みやすい構造になっているのです。
そのため、時々あのように陸にあがって、羽根を広げよく乾かす必要があるのです。
潜って獲るに特化した鵜
ではなぜ、わざわざ日干しをしなくてはいけないような、こんな面倒なつくりになっているのか・・・?
それは、鵜が「潜る狩りに特化した」進化をしたためです。
撥水効果がある羽根は、それ自体が浮き輪のような役目を果たすためどうしても潜りにくい!
つまり、水がを含みやすい羽根であることは浮力を減らし、潜水するのをより容易にするのです。
ちなみに10mは潜り、1分以上も潜水が可能だそうです。
すごい!!!
泳ぎも上手な鵜
このように、鵜の羽は水を含みやすく浮力を軽減し、潜水しやすい構造になっています。
そしてさらに、鵜は泳ぐのも得意!
鵜の足ひれは、なんと人の手のひらの大きさほどもあります。
この大きな足ひれを1秒間に5~6回も動かして進みますよ!
鵜の泳法は、両足をそろえて水を蹴って進むドルフィンキック!そして、ぎゅ~~~ん!!と進んだのちに足をもとに戻してまた蹴るということを繰り返します。
本当に泳ぎが上手なんですね。
水中でもよく見える目
鵜の美しいエメラルドグリーンの目。
彼らの目は柔軟に水晶体の形を変えられるため、水中でも鮮明に対象をとらえられるように進化しました。
水中でクリアに獲物を目視できるので、獲物のゲット率も高いんですね!!
現在、増加傾向
現在、カワウは個体数をかなり増やしているようです。
しかし、1960年代には一度絶滅の危機に瀕したこともある野鳥です。
河川などの環境がよくなり、獲物が増えたことで近年その数をぐんぐん増やしていますよ。
確かによく見かける野鳥です!
カワウとウミウの見分け方
まるで間違い探し!カワウとウミウはそっくりさん
海にいるのがウミウ
川にいるのがカワウ
・・・まあ、文字通りで基本的には間違いないと思いますが・・・
カワウは内海にいることもあります。
またウミウは外海にいるといわれますが、それも絶対的なものではありません。
「さて、どっちかな??」と思った場合・・・見た目で見分けようと思うと結構難しい問題です。
色でみわける
まずは、よく言われる色で見分ける方法。
一般的に、カワウは羽根が茶褐色(コッパー)っぽい黒でウミウは緑っぽい黒と言われます。
しかし・・・実際は、たしかに茶系に見えることもありますが・・・光の加減で、青っぽくも紫っぽくも見える黒です。
顔で見分ける
海鵜と川鵜は、本当に見分けがつきにくいです。
海鵜のほうが少し大きめという話もありますが、個体差もあります。
また、微妙な違いは2種類が一緒にいないと見分けがつかない!
というわけで、顔で見分ける方法。
まず注目すべきは口角のライン。
口角が穏やかなほうがカワウです。
また、口角のラインが鋭角なほうがウミウ!
そして目の横のラインも違います。
まず、目の横のラインが目から側頭部にかけて真横に伸びるのがカワウ。
そして、目の横のラインが目から頭頂部に向かて斜め上に伸びるのがウミウ。
なるほど!!とは思っても、実際現場で見ていると「ん??どっちだ??」となります。
それくらいわかりにくいです!
まとめ
というわけで、本日はカワウについて書きました。
本当によく見かける大型の鳥です。
また、個体数が多い野鳥で、街中の川でも見かけることがあります。
人の近くにいる鳥ですので、わりと逃げない野鳥でもあります。
なので、ぜひ見つけたらじっくり観察してみてください。
「黒い鳥だね」というだけの認識が大きく変わること請け合いです。
ではまた次回!
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【今回使用した機材・画材】
ステッドラー水彩ペン
ホルベイン色鉛筆
NIKON D500
Nikkor AF-S 200-500mm f/5.6E ED VR