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オオルリの生態と特徴【イラストと写真付き】

日本三鳴鳥に数えられるほど美しい歌声で日本の夏を彩るオオルリ。
バードウォッチャーにも人気の野鳥で、特に初心者の方には憧れの青い鳥♪

美しい歌声・青く美しい羽色、まさにチルチルミチルの幸せの青い鳥!!

オオルリさん発見
オオルリさん発見

今回はそんなオオルリについて、詳しく解説っ!

目次

オオルリ

オオルリの特徴

スズメ目ヒタキ科オオルリ属
スズメ目ヒタキ科オオルリ属

野鳥の中の野鳥

オオルリは、スズメ目ヒタキ科オオルリ属に分類される野鳥です。

スズメ目とは野鳥界の最大派閥で、なんと世界中の野鳥全て(約1万種)の半分以上はスズメ目。
大派閥だわ。
身近なものだとスズメはもちろんカラスやヒバリやムクドリなどもスズメ目です。

共通して【鳴管】と呼ばれる発声器官が発達していて、鳴ことが上手なグループ。
その為、鳴禽類 (めいきんるい)とも呼ばれ、美しい囀りや鳴き声でのコミュニケーションなどが知られています。

その中でも、ヒタキ科と呼ばれるグループは囀りマスターの集うエリートシンガー集団!
種数も多く、スズメ目を代表する野鳥たち!

一般的に【小鳥】と呼ぶ時、このスズメ目ヒタキ科の野鳥を連想する人が多いのでは?
小さくて、美しい声で歌う鳥!

ちなみに、日本三鳴鳥と言えば、オオルリ・コマドリ・ウグイス!
この3種のうち2種がヒタキ科なの!
いかにヒタキ科が鳴きのスペシャリスト達かわかりますね。

野鳥界を牽引するオオルリ

では、このヒタキ科の代表的な野鳥を上げてみましょう。

マミジロ・トラツグミ・クロツグミ・シロハラ・アカハラ・ツグミ・コマドリ・ノゴマ
コルリ・ルリビタキ・ジョウビタキ・ノビタキ・イソヒヨドリ・コサメビタキ・キビタキ・ムギマキ・オオルリ

どうですか?このスター集団の顔ぶれ!!
こうして名前を並べるだけで、野鳥ファンにとってはムネアツですよね!!
更に、この中でも、野鳥がよく囀る繁殖期に、比較的簡単によく観察されるものに絞ってみると

キビタキ・オオルリ

どうでしょうか?

今回の主役、オオルリがいかに野鳥界のスーパースターか!
もうおわかりですね。

見た目の特徴

オオルリの写真
とても美しい野鳥さんです

さて、野鳥が大好きな皆さんは色々な鳥をご存知だと思いますが、一般的に【小鳥】と聞いて何色を想像するでしょうか?
赤でしょうか?茶色でしょうか?それとも黒?いやいや黄色?

青です!!

メーテルリンクの時代から、野鳥といえば
チルチルミチルが追い求めるのは、青い鳥なのです。

オオルリは、頭部から背中までの体上面は、とってもきれいな青色(瑠璃色)をしています。
コバルトブルーと呼ばれる美しい宝石のような青。
顔から胸・脇にかけては黒色、腹部から下尾筒にかけて白色をしています。

大瑠璃(オオルリ)という名前が示すように、瑠璃色の美しい鳥さんです。

オオルリの鳴き声

オオルリの鳴き方には様々なレパートリーがあり、個体差も大きいのが特徴。
ウグイスがホー法華経、サンコウチョウが月日星ホイホイホイ、と鳴くのに対し、オオルリの鳴き方には定型がありません。

更にややこしい事に、近くで鳴いているキビタキやホオジロの鳴き方を真似ることがあります。
ですので、聞き分けるためには慣れが必要!!

しかし、ご安心ください。

一般的に『ヒーツィーピィー・ジジ』や『ピリュピピピィーリ・ジジ』など語尾に【ジジ】と付ける特徴があります。
ですので、このジジを聴き逃さないようにすることがポイントです!

メスもさえずる?

さえずりとは、一般的にオスが縄張りを主張したり、メスに自分の魅力をアピールしたりする時に使う鳴き方です。
ですので、メスはさえずりということを基本的にはしません。

しかし、オオルリのメスはさえずると言われています。
よく見ていると、オスとメスが並んで『ヒーリー』と鳴いていることがあります。

しかし、これは囀りではなく警戒信号
外敵が近づいた時、ヒーリーと警戒信号を出します。
つまり、メスは囀らないというわけ。

オスはこの警戒信号を受け、外敵の存在に注意をはらいます。
また、巣の中にいるヒナも、親鳥のこの鳴き声を聞いて警戒!

ママが「気を付けて!」と一声鳴けば、家族全員ビビッと警戒!

ですので、あなたの目の前でメスがヒーリーと鳴いている時は、あなたの事を警戒している可能性が高いのです。

「あやしいやつが、のぞいてるぞ~~~~~!」と言ってるかも?

オオルリの生態

オオルリの写真
夏の定番!

オオルリは夏鳥として日本に飛来する鳥です。
冬は、フィリピン・スマトラ・ジャワ・ボルネオ・インドシナなどで越冬しています。

夏鳥は、日本に繁殖をするためにやってくる野鳥です。
ですので、縄張りを形成し、パートナーを見つけ、子育てするという様子が観察できます。
オオルリの美しい歌声が聴けるのも、オオルリが子育て期間を日本で過ごしてくれるからです。

縄張り

オオルリは縄張り意識の強い野鳥です。
だから、一度目撃した場所を覚えておくと、次回行った時にも同じ個体が同じ場所にいる可能性が非常に高い!

なぜかというと、その場所は熾烈な縄張り争いを勝ち抜いてゲットした大切な場所だからです。
ですので、簡単に引き渡すわけにはいかな~~い!!!

オスが日本に渡ってきて、まずやること!
それは縄張りの確保。
他のオスと熾烈な縄張り争いをするのです。
渡ってきて早々、バトル開始というのは鳥もなかなかハードですね。

オスは競争相手を『ジジッ』など鳴きながら威嚇!
時には嘴で突きながら戦います!
嘴をカチカチ打ち鳴らし、威嚇をしたりもします。

どちらかというと優雅に鳴いているイメージのあるオオルリですが、オス同士の喧嘩は結構ハードなのね。

木の梢が大好き

オオルリの写真
木の上にいることが多いよ!

縄張りが決まったら、あとは周りに「ここ俺様の場所~~~!」と縄張り宣言を行い、メスにアピールを開始!
そこで、オオルリの雄たちは出来るだけ高い場所で長い間囀りを行います。
また、オオルリの囀りは他の野鳥のものに比べても大きいのも特徴です。

ですので、鳴き声は遠くまで聞こえます。

オオルリの鳴き声が聞こえたら、鳴き声のする方の高い場所、木の梢を見てみてください。
木のてっぺんで小さな青い鳥が、一生懸命胸を張って鳴いている様子を見つけることができますよ。

どこに住んでるの?

オオルリは低地から亜高山帯まで比較的幅広い環境に住んでいます。
森林生の野鳥ですので、樹木がある場所にいるのですが、針葉樹林・広葉樹林と樹木も選ばない印象です。

しかし、彼らにとって譲れないのが、湿度が高めで川が近くにあること。
また、岩肌の剥き出した崖があるともう最高です!

つまり、渓流沿いなんかがオオルリにとっては理想的な環境なんですね。

なぜかというと、まずは営巣場所が薄暗い木の根元や屋根状の構造になっている岩壁などだからです。
また、巣材として大量のコケ類が必要なことから、湿った環境を好む傾向があります。

彼らの食性も関係してきています。
オオルリは比較的色々なものを食べていて、ガや蝶類・甲虫・ハチ・アブなどの昆虫から木の実などの植物も食べています。
しかし、育児中は昆虫の幼虫やムカデなど、比較的湿気を好む中型の昆虫を好んでヒナに与えています。

川が近くにあり、湿った岩壁の近く。そう言った環境を見つけたら発見できる確率が高いと思います。

繁殖

オオルリは一夫一妻で子育てをしています。
営巣や抱卵は雌の仕事ですが、給餌や子育ては夫婦共同

5月ごろから7月ごろまでが子育て期間で、メスは一回に4〜5個の卵を産みます。

雛は比較的早く成長し、抱卵から約2週間で孵化
12日間ほどで飛び始め、10日ほどすると育児も終えます。
順調にいけば1ヶ月ちょっとで子育てが終わるんですね!

ということで、調子の良い夫婦は2回目の子育てに入るものもいます。

幼鳥の写真
巣立ちしたばかりの幼鳥

狩上手

ヒタキ科の中でも、オオルリ属・キビタキ属・サメビタキ属は英名にFlycatcherという名が入っています。
オオルリの英名はBlue and White Flycatcherです。

フライキャッチャーとは、その名の通り、飛んでいる昆虫を上手に空中で捕まえるところからついた名です。

木の枝に止まり、飛んでいる虫を見つけ狙いを定めます。
そして、その虫めがけて飛び立ち、上手に空中で虫を捕らえます。
虫を捕らえると、元いた枝に戻ってきて食事を行います。

オオルリを観察する際には、この行動に注目してみてください。
木の梢に止まって鳴いているところか、このフライキャッチの場面。
この2つがオオルリ観察するときの注目ポイントですよ♪

まとめ

今回は、夏の野鳥の人気筆頭!オオルリについての記事を書いてみました。

構造色からくる美しい青い羽色、そして森林の中にこだまする美しい歌声。
そして、見つけるとちょっと幸せな気分にさせてくれる、まさに幸せの青い野鳥

森林の中でも、住んでいるエリアが分かりやすいですし、鳴き声も大きく聞きやすいです。
また、木の高い方、梢を中心に探すと比較的簡単に見つけることができます。

双眼鏡片手に、渓流沿いの山道などを歩いてみてください。
きっと野鳥界のスーパースターに会えますよ。

少し切ないオオルリのお話

しかし、最後に、少し悲しいお話をさせてください。

オオルリなどの人気の野鳥は、違法に霞網などで捕まえて飼う人がいるようです。
しかしながら、野鳥を無許可で捕まえたり飼育することは鳥獣保護管理法で禁止されています。
また、人の勝手な解釈やわがままで、野生動物を人間界に持ち込んではいけません。

このことを、もう一度考え直してもらいたいと思います。

日本野鳥の会 鳥獣保護管理法の説明ページ

野鳥観察に出かけたら、ぜひ自然を感じ野鳥達と同じ環境を楽しんでみてください!


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【今回使用した機材・画材】

ステッドラー水彩ペン

ホルベイン色鉛筆

NIKON D500

Nikkor AF-S 200-500mm f/5.6E ED VR

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