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ツバメの生態と人との関係!【イラストと画像あり】

目次

ツバメ 燕

ツバメさんとコアラ
ツバメさん発見

燕の夫婦が電線で一休みしているよ。
いつも忙しく飛び回っているもんね。
町にお買い物に来たら、パン屋さんの軒先にもツバメさんの巣があったよ。
他の鳥さんと違って、人通りの多い出入り口なんかに巣をつくるのはなぜなんだろう??

ツバメの特徴

スズメ目ツバメ科ツバメ属
スズメ目ツバメ科ツバメ属

飛ぶのに特化したフォルム

ツバメの写真

ツバメは、全長約17cm。
お腹は白く、背面はギラリとした青味がかった黒です。
光の加減によっては、背面はまるで鱗のように見えますよ。
また、胸の黒い横帯と、顎下と額の赤、燕尾服の語源にもなった二股に分かれた尾がポイントです。

そして、翼がとても大きく、体はまるでジェット機のようにほっそりとした筒形で、足は短め。
飛ぶのに特化した体つきをしています!

飛ぶのが上手

ツバメの飛翔写真
撮影が大変なツバメ

この時期、街中や河原などで燕を見る事は多いと思いますが、毎度その飛ぶスピードに驚かされます。
歩いていたら、ものすごいスピードでさっと前を横切られたり・・・
猛スピードで飛んでいる途中に急に方向転換したり!

燕って本当に飛ぶのが上手なんですね。

ツバメは、平均時速40~50Kmで飛ぶと言われています。
これでも結構早いと思いますが、全力で飛ぶときはナント!時速200Kmで飛ぶというから驚きです。

歩くのは下手

ツバメの地上での写真
巣材を集めるために地上に降りる

飛ぶことに特化した体のつくりになっているため、飛ぶのが上手なツバメ。
しかし、歩くのは苦手な様子でほとんど地上に降りることはありません。
羽休めももっぱら電線など。
ただ、営巣の時期は地面に下りて巣材をゲットするので、地上で見られる機会もあるかもしれません。
猛スピードで飛び回り、なかなか観察が難しい鳥さんです。
というわけで、地面に降りているところを見かけたら、じっくり観察するチャンスですね!

ツバメの生態

主に夏鳥

ツバメは、春先に南国から飛来する夏鳥です。
(一部、国内で越冬するツバメもいるようです)

春先にやってきた燕は、4月から7月の間に営巣、そして産卵、子育てをしますよ!

ツバメの巣

燕の巣の写真
燕の巣はみんな知ってるよね!

巣は、枯草唾液で固めて積み上げて作りますよ。

彼らは、河辺などで泥を口に含んで持ち帰り、器用にその小さな泥団子をレンガのように積み上げていくようにして巣をつくります。
そして、そうやって泥で外壁が出来上がると、今度は中に集めてきた枯草羽毛を敷き詰め、卵やヒナたちが居心地のいい空間を作るのです。
つまり、ふっかふかの気持ちのいいベッドが完成したら、産卵です。
また、ツバメは平均4~5個の卵を産むと言われます。
というわけで、親鳥はヒナが4~5匹おさまるようなおうちを作らなくてはならないので、結構大変!

卵を産む前から、忙しいツバメさんなのです。

リサイクル主義??

ツバメのアップ写真
職人の手作りは一生もの!

そんな大変な営巣ですので、昨年作った巣を利用する個体もいますよ。
リサイクル!再利用ですね。
時間をかけて丁寧に作られた巣ですから、翌年も少し手直しすれば使えるのです。

もし、あなたの家の軒先にツバメさんが巣をつくって子育てを終え、無事にヒナが巣立って行ったとしても・・・
その巣を落とさずにいてあげましょう。
なぜなら、彼らがまた来年その巣を利用する可能性はとても高いのですから!

何を食べているの?

ツバメの捕食の瞬間写真
ツバメの捕食の瞬間

ツバメは主に、小さな虫を食べています。

つまり、お得意の飛行能力を駆使し、飛び回りながら飛行している虫をキャッチ!
しかも、燕は大食漢。
あの小さなボディですが、やはり飛び回るのでエネルギーを使うためでしょうか?
たくさんの虫を食べる必要があります。
そのため、彼らは1日中飛び回り・・・なんと何百匹もの虫を捕食するんだそうですよ。

水面を飛ぶつばめ
水面を飛びながら水を飲む

ちなみに、水を飲むのも飛びながら!なんです。
水面すれすれを飛びながら、口をあけてさっと水分補給!
う~~~ん・・・すごいなツバメさん。
戦闘機みたいだな。

鳴き声

ツバメの写真

ツバメは、チュビチュビ ビリュリュルルルルル~という声で鳴きます。
体は小さいのですが、声は結構大きいのでびっくりしますよ。

ちなみに、「聞きなし」では

土食って 虫食って 口しぶ~~~い!

なんですって!考えた人すごいシャレてますね。

人間とツバメの「良い関係」

なぜソコに・・・??

毎年、ちょっと不思議になりませんか?

たとえば、コンビニエンスストアの出入り口付近
そういえば、あのパン屋さんや八百屋さんの軒先
はたまた、駅の入口のせわしない天井
そうそう、家の玄関や出入りの多い車庫の中・・・などなど。

彼らは、なんだか人通りの多いせわしない場所に営巣しますよね。

「もっと落ち着いた場所で子育てした方がいいんじゃないの??」

なんて・・・おせっかいながら、そんなことを思ってしまいます。
スズメカラスも人と距離の近い鳥ですし、街に営巣しますが・・・さすがにツバメほど人目に付く場所には営巣しません。

わざと人目に付く場所を選ぶ

ツバメの毛繕い
いつも人の近くにいるツバメ

ツバメはちょっとオッチョコチョイなんじゃないか?
他の野鳥に比べて、危機感薄すぎるんじゃないか?

なんて思う人もいるかもしれませんが、さにあらず。

ところが、ツバメは、わざと人目に付く場所を選んで巣をつくっているのです!
それは、家内安全のため!

人間の近くにいれば安心!!

ツバメは、人間の目につく場所に巣をつくることで外敵から身を守ることが出来ることを知っています。
つまり、カラスや蛇など・・・卵やヒナを狙う外敵は、人間が頻繁に出入りし目につく場所には、そうそう現れにくいことを知っているのです。

う~~ん賢い。

そして、人間・・・ツバメさんに信頼されてる~~~~!

ヒトとツバメの共生関係

ツバメの写真
虫を一日中探し回る

これは、何もツバメが人を一方的に信頼してのことではありません。
昔から、ヒトもまた燕を大事にしてきました

その昔、多くの日本人は農業に従事していました。
前述の通り、燕は1日にたくさんの虫を捕ります。
農家にとって、害虫をたくさん食べてくれる彼らは「益鳥」。
つまり、大事されたんですね。

商売繁盛?

また、商売家にとってはツバメは縁起のいい鳥として知られていました。
そのツバメが軒先に営巣すると、商売繁盛になると信じられていたのですね。
つまり、燕さんは大事なお客様でした。

というわけで、人とツバメはwin-winの関係
つまり、共生関係というわけです。

もしあなたの家にツバメが巣をつくったら・・・

もし、あなたの家の玄関先にツバメが巣をつくり始めたら・・・
どうぞそっと見守ってください。

特別なことはしなくてもいいのです。
ツバメは人を信頼して営巣しています。

そして、たった数か月のこと・・・ぜひ、そっと見守ってあげてください。
それはヒナの成長を見守るのもまた楽しい時間となりますよ。

フンの対策

もし、フンが落ちるのが嫌だな・・・お掃除が大変になるな・・・という場合は、巣の下に段ボールや新聞紙をひいて汚れたら取り換えるのがいいと思います。

また、フン受けのつくり方を書いているサイトを発見しました。(ツバメ観察全国ネットワークさんのサイトです)

ツバメ観察全国ネットワーク – フン受けの型紙 (tsubame-map.jp)

もし、燕が巣をつくったら・・・ぜひ活用してみてくださいね。

まとめ

首がぐるっと回ってるツバメ
首がぐるっと回ってる

今日は、燕について書きました。

昔は5月くらいになると、あちこちをツバメがせわしなく飛び回る姿が見えました。
そして、あっちの軒先こっちの軒先からツバメのヒナの気配がしたものです。
しかし、最近ではその気配もぐっと減った気がします。
残念なことに、ツバメの数も近年減少しているのです。

人と共生関係の鳥が数を減らしている・・・というのはとってもさみしい事態。
ちょっと世知辛い世の中になっちゃったのかな?

ツバメはラッキーバード?

しかし、それでも、家の玄関や商店の店先、駅の出入り口などでフン受けを見かけます。
【ツバメが子育て中です。あたたかく見守ってください】なんて注意書きを見ると、思わずほっこりした気持ちになり思わず微笑んでしまいます。
そして、見上げた先に黄色いお口のヒナが並んでいるのが見えたりしたら・・・この上なくハッピー&ラッキーな心持になります。

商売繁盛金運上昇につながるか否かはわかりませんが、そんな命の成長を目撃できるささやかな幸せが身近にあるって素敵。
人の身近で営巣し子育てを見せてくれるツバメさんは、やっぱり幸運を呼ぶ縁起のいい鳥に違いないですね。


今日のまとめイラスト

ではまた次回!

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【今回使用した機材・画材】

ステッドラー水彩ペン

ホルベイン色鉛筆

NIKON D500

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